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2012年6月の日本の景気動向

帝国データバンクの景気動向調査によると、2012年5月報の全国景気Diffusion Index(景気動向指数)は前月比0.3ポイント減の38.2となり、3月報以降は38.2~38.5のレンジで推移しています。

内閣府経済社会総合研究所景気統計部が公表しているCI(コンポジット・インデックス)を見ると、2012年4月の景気動向指数CI(速報値・平成17年=100)は、先行指数:95.1 、一致指数:96.5 、遅行指数:86.5 となりました。先行指数は前月と比較して-1.3ポイント減少し、一致指数も前月と比較して-0.2ポイント減少しました。景気動向指数(CI一致指数)は、国内景気は緩やかに回復しつつあるものの、自律回復に移行する力強さは無く、踊り場局面に入る可能性もあることを示しています。

2012.6_景気動向

2012年6月の金融情勢

短期金利についてみると、日本銀行の政策金利である無担保コールオーバーナイトレートは、0.00%~0.10%のレンジで推移しています。6月13日時点では、0.074%です。

アメリカやユーロの政策金利から海外経済の動向が読み取れますが、注目すべきは中国経済の動向です。中国では1年物貸出基準金利が6.56%まで上昇していましたが、0.25%引き下げられて6.31%に設定され、6月8日から適用されています。これは中国経済が後退局面に入ったことを政策当局が認識したことを示しています。中国経済については様々なことが報じられていますが、仮にハードランディングするようなことがあればリーマンショック以上の衝撃を世界経済に及ぼしかねないため、注視する必要があると考えます。

2012.6_政策金利

名目GDPの推移

日本の名目GDP(国内総生産)の推移を見ると、1955年から1992年までは右肩上がりに成長していましたが、1990年の株バブル崩壊及び1992年の不動産バブル崩壊を転機に、1993年から2007年までは低成長に移行しています。2008年9月15日にアメリカ合衆国の投資銀行であるリーマン・ブラザーズが破綻した出来事を契機に世界的金融危機(世界同時不況)が生じ、2009年まで名目GDPが大幅に後退しています。2010年の下期ころから日本の景気はやや上向き傾向を示していましたが、2011年3月に起きた東日本大震災の影響で再び名目GDPは後退し、それ以降ぼほ横ばいで推移しています。

2012_名目GDPの推移

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