ホームページ開設まで



            第一章

そもそものはじまりは、会社がインターネットのメールアドレスを取得したことによる(もちろんプロバイダ経由)。 で、契約条項に“ホームページの設立は2MBまで無料”とあったため、仕事がちょうどヒマだったこともあって、じゃあ会社のホームページをつくりましょうということになった。

こういう仕事はたいてい、いちばん下っ端に廻ってくるのが常。 僕はいきなり“ホームページ設立委員長”を命じられた(委員は僕ひとり)。 ちなみにこの当時、僕にはHTMLについての知識がまるっきりない(いまでもあるとはいいがたいが)。

            第二章

とりあえず、一○郎7のHTML変換ツールで元をつくる。 ぜんぜん駄目。 調整するたびに変換しなければならず、しかもこれが異様に時間がかかる。 どうしても自分でHTMLを書かなければと思う。

会社に見本誌として置いていた『日○マルチメディア』の付録のCD−ROMがHTMLベースなのを発見する。 なんとかこれを解析できないものかと思い、ためしに“メモ帳”(Windows 95付属のテキストエディタ)で開いてみる。

おおっ、成功!  これをネスケで開いた画面と見比べながら、ひとつひとつのタグがどんな意味をもつのかメモる。 これでだいたいの基礎はできた。 メモ帳で作成したファイルも拡張子を“htm”にしさえすればHTMLファイルになってくれることを知る。

で、これだけの知識でホームページの原盤を作成。ところがアップロードの方法がわからない。 で、DREAM☆NETのユーザーサービスに問い合わせ、FTPソフトなるものが必要なのが判明。

ちなみにこれまでDREAM☆NETのユーザーサービスにした質問は、
  1.転送の仕方
  2.アクセスカウンタの貼りかた
  3.ユーザーホームページ一覧への登録の仕方
 初歩的なものばっかだなあ・・・。

同じ頃、ハワイ旅行のためにクレジットカードをつくったのを契機に、自分でもプロバイダと契約。モデムだけ購入してパソコンは週末会社のノートを持ち帰り。 いろいろとホームページを見る。いいテクがあるとソース表示やcacheのデータで盗むことも憶える。

こうして培った知識をもとに、ついに会社のホームページはアップロードされたのだった。

             第三章

さて、アップロード自体は成功したが、とあるオンラインエッセイでいわれていたように、結局上司に見せて許可をとらなければならないわけで、最初目論んでいた企画は全部却下され、見るからにつまらない内容となってしまった(だからリンクも貼ってない)。

これはどうあっても自分の個人ホームページをやらねば。 そして今度こそ自分の趣味と好みどおり、やりたいようにやってやるんだ。 そう思っていちおう、'97年5月に仮のページをアップロードする。

ところが当時、入院していた父の容態がかなり悪くなってきた。 父は会社を経営していた。 祖父のあとを継いだ二代目社長で、父と母とで80%の株式を握っているという、まるっきりの同族企業。 僕は長男でしかも残りの兄弟は妹ふたりなので、状況次第では会社を辞めて大分に帰らなければならない可能性もでてきた。

会社を辞めるのはいいが、そうすると自分のパソコンを購入するまでホームページの更新ができなくなる。 これではオープンする意味がない。 そう思って、仮のページをアドレスごと2週間で抹消。

             第四章

まるで狙ったかのように、平成九年九月九日、父が死んだ。いろいろ話し合った結果、東京に残ることに。

初七日まではあっという間だったが、やはりなんとはない喪失感を感じる。 これを紛らすために、ホームページ開設をふたたび決意。

個人ホームページなんだから、ひとつのジャンルにこだわらずに、とにかく自分の好きなようにやろうと思った。 およそ五ヶ月のブランクの間にHTMLの知識も増えたことだし・・・。

そして'97年9月28日、試験版をアップロード。 10月3日に正式に友人や知り合いに公開して、このホームページの歴史がはじまった。 いつ閉じることやら・・・。


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