たった一人しかいない弟のチイちゃんは生きていたらもうすぐ40歳になる。ミュウジシャンなんか大嫌いだ。自分だけの世界で自己陶酔しているだけじゃないか。お前がいないという事は俺の子供たちにおじさんがいないという事なのだ。拓郎を追いかけて、こうせつを追いかけて、一体何が残ったというのだ。どんなにギターが上手くてもシンデハ何も残らないのだ。でも兄ちゃんは神戸の路地で弾き語りしている昔のチイちゃんを見つけて、可愛がってあげたよ。君のギターは大切に田舎の誰もいない床の間に置いてあるよ。帰って来いチイちゃん。 |