チェインイヴェントの不満 辻褄の不満 会話の不満 |
球技大会の不満 ストーリィ総評 |
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『TLS2』最大の不満が“チェインイヴェント”。『TLS2』には、決められたイヴェントを通過しないとクリアできないキャラが、なん人か存在する。つまり、クリアのためにイヴェントを通してフラグを立てなければならないわけだ。 これがまさにチェインで、ひどいのになるとチェイン突入後ほぼ一日にひとつの割合でイヴェントを発生させる必要がある。これがどれだけキツいかというと、ここを参照。 これはSCEの『やるドラ』シリーズのように結末の多様性を楽しむゲームならともかく、『TLS2』では本末転倒だと思う。なぜなら鎖を辿れなかった場合、結末はバッドエンドだけ(しかも木地本のみ)だからだ。 そもそも、これを知らないで(もちろん説明書には書いていない)チェインイヴェントが必要なキャラを追いかけた場合、その存在に気付かなければなん度やってもバッドエンドになる。 実際最初のプレイで森下茜を狙った僕は、二度のバッドエンドの末にクリアできた。次いで丘野陽子を狙ってしまったために、さらに四度のバッドエンドを増やした(結局クリアできずに次は沢田璃未を狙った)。これで面白い筈がない。 はっきりいって、僕が『TLS2』をクソゲーと呼ぶ最大の理由のひとつがこれだ。 取扱説明書だけ(つまりHPやクチコミや攻略本の情報なし)ではクリアさえできないゲームなんてあるか! このデメリットはもうひとつある。“情報”を知ったところで、今度はその情報通りに行動しなければならない。別のHPでもいわれていたが、これをやると「ゲームを楽しむ」というより「やらされている」という感覚に陥る。 結局、『やるドラ』や『To Heart』の悪い部分だけを盛り込んで『TLS』本来の楽しさを奪ってしまう結果になっている。これ導入した奴、責任取れ! 前作を、最初の草薙先輩狙いでプレイしていたときのことだ。かなり仲良くなった頃のことだが、下校時の会話で、 「先輩は、卒業したらどうするんですか?」 「父の後を継ぐつもりなの」 「じゃあ、巫女さんになるんですね」 な、なんだと!? そんな情報がいつ・・・。実は「境内の掃除」や「焚き火」イヴェントをすっ飛ばしていたのだ。次回の草薙先輩狙いの際、僕がよりみちで神社に足繁く通ったことはいうまでもない。 これは「下校時の会話で、主人公が知らない筈の情報が話題に登る」という、最も顕著な例。他にもいくつかある。 この点が、『TLS2』ではまったく解消されていない(数的に前作と同じくらいある)。それを避けるためにチェインイヴェントを導入したとすれば、さらに本末転倒。シナリオの拙さを露呈している。 前作の画期的な設定「下校時の会話」。これの決定的な弱点は、「なまじ声がついている(声をアテなければならない)がため、まったく同じ会話が複数回繰り返されてしまう」ことだった。 相手の女の子のときめき度によっていくつかのヴァリエイションは存在するが、やはり「一言一句、全く同じ会話を繰り返してしまう」というのは(小さいながらも)マイナス点ではあった。 さて、『TLS2』だが、この点がまったく解消されていない。会話の内容はプレイヤーの選ぶ「話題」によって変わるのだが、変な話題を選ぶと女の子のときめき度がマイナスになってしまうため、どうしても話題が偏らざるをえない。 さらに。これはシステムや設定とも関連してくるのだが、『TLS2』では、ゲーム開始前に「女の子との会話に使う、専門の話題」をみっつ選ぶ。 たとえば、最初は中里佳織狙いで“本”、“映画”、“料理”を選んだプレイでチェインを外し、「深山早苗のパラメータが上がってるから早苗狙いにチェンジするか」といった場合、このみっつの話題は全く無駄になってしまう。 そうすると、一般の話題で早苗に合ったものだけをセレクトしなければならないわけで・・・。当然同じ会話が繰り返される頻度が高くなる。 この“専門の話題”という新しい設定、完璧に無駄だと思う。逆にストレスを増長させる結果を生んでしまっているのだから。 あのね、同じ話題で同じときめき度でも、もう少しヴァリエイションは作れると思うんだよね。もしくは『サクラ大戦』みたいに、思い切って声のないパートを作っちゃうとか。 結局これ、ご都合主義の権化だと思う。システム改善の努力をしないで、最もラク(だけどプレイヤーに不満を残す)な方法を採ってるんだから。 『TLS2』には各学期ごとに違うイヴェントがある。一学期の神社の夏祭は女の子の浴衣姿が観られるのでGOOD。二学期の学園祭も、まあ、許せる。しかし三学期の球技大会は納得がいかない。女の子と一緒に昼飯を食べるだけなのだ。 一学期と二学期のイヴェントは「デート」の雰囲気を漂わせる。誘うのに手間がかかっても致し方ない。が、なんで球技大会で一緒に昼飯(それも購買部で買ったパンだったりする)を食うためだけにあんな苦労をしなければならないのか。 青葉台高校には「球技大会で一緒に昼飯を食べたカップルは永遠に幸せな関係でいられる」という伝説でもあるのだろうか。どう考えても、イヴェントとして夏祭や学園祭よりインパクトが弱いのは否めない。 遠足(うちの高校にはあった)とか一日スキーもしくはスケート教室とか、サッカー部の試合(地区大会の決勝)の応援とか、考えればいくらでもインパクトの強いイヴェントが作れた筈だ。なんで球技大会なのか。 前作では球技大会はすべての季節で行われていた。よって「体操服姿の女の子に応援してもらうため」という理屈は通用しない。まさか瑞木あゆみのチェインイヴェントのために、わざわざ球技大会にしたわけでもあるまいが。 そう。不満はそこにもある。球技大会が三学期にしかないために、女の子の応援は三学期にしか受けられない。それも朝だけ。試合がはじまれば女の子の姿はなくなる(つまりCGがない)。 まあ、結局は夏祭での浴衣の印象が強すぎたということなのかもしれない。しかし、やはりいいたい。なんで球技大会、しかも昼飯を一緒に食べるだけなのか。それはイコール、「お弁当イヴェント」がないということなのだ! 結局、前作での不満は解消されず、しかも前作のよかった点は破棄されている。そして代わりに前作よりくだらない設定やストーリィが展開される。馬鹿か。 はっきりいって、全般的、およびここでは触れなかったが各キャラに関するストーリィは、前作よりレヴェルが落ちている。先に『TLS2』をプレイしていたらもう少しマシな評価だったと思うが、Part2が1を超えられないでどうする! ・・・悲しくなってしまう。 |
かおりん(中里佳織)を追いかけた場合の、最終週のチェインはこうなります。ネタばればれなので注意。(C)はチェインイヴェント。 月曜・・・「新しい目標」(C) 火曜・・・(ラブラブな場合)誕生日プレゼント 水曜・・・「恋愛関係の本」(C) 木曜・・・「女の子の好み」(C) 金曜・・・「誤解を解く」(C) 「恋愛関係の本」を経過すると、木曜の放課後に「女の子の好み」を経過するまで、かおりんに会えなくなります。つまり、ラブラブな場合、 火曜と木曜(下手すると水曜も)は一日に一度しかかおりんに会えない。 火曜と水曜は絶対一緒に帰ることができない(デートの誘いができない)。 日曜のデートの誘いができる回数が、6日(月〜土)のうち4回のみ。帰り道にちゃんと会えるかどうかわからないし、かおりんはけっこう爆発しやすいので、こまめにセーブしないとキツいです。 しかも、一週に4回チェインイヴェントを発生させなくてはならない。これをひとつでも逃すとアウト、かおりんでエンディングを迎えることはできません。馬鹿ですね、このシステム考えた奴。 |