クライマックス、すげえきつかったです。ボタン押し続けなきゃならないから、ぼろぼろ溢れる涙を拭うこともできないんだもん(^^;。このシナリオでも、主人公にすごく感情移入できました。


 今回は『旅立ち』詩織編を書いてみたいと思います。なお、サブキャラのストーリィ等は複数回のプレイを総合したものです。一度のプレイですべてこなすことは、物理的に不可能ですので。

 まず前フリ。『一番輝いたとき』で主人公に感情移入したことは前回書きました。僕も高校卒業直前にそういうタイトルでなんか書けといわれたら、やっぱり陸上部の部活について書いていたと思います。

 でも、文集での清川さんやサッカー部の活躍を見ると・・・。僕自身大したランナーではありませんでしたし、部内にインターハイ出場した奴、クラスメイトにバスケで国体に出場した奴とかいたし・・・。

 ちょっと悩みつつ日曜は詩織と買物。映画はまさかと思っていたらやっぱり『メタルギアソリッド』。しかもサイコ・マンティスの「ときメモが好きなようだな!」が画面に。こういうお遊びは結構好きです。笑えました。

 しかし帰り道、公園で詩織に「いつまでも仲のいい幼なじみでいてね」といわれ大ショック。しかもやっと貰えたチョコレートは好雄と同じもの・・・。改めて自分(主人公)の「なにもなさ」を実感。

 月曜。美樹原さんの「私の高校生活ってなんだったのかな、って考えちゃって・・・」ということばに本当にドキッとしました。うまくいえないのですが、ここで僕は『一番輝いたとき』について、主人公とまったく同じラインに立ったのです。

「このまま終わらせちゃいけない」。一度は諦めたフルマラソンに挑戦することを決意する主人公。そうだ俺、頑張るぞ俺(爆)!。早朝の公園で清川さんにコーチを依頼。「本気・・・みたいだな」。おうっ、本気だっ! 快く引き受けてくれる清川さん。

「詩織のことはもう関係無い」。好雄の問いにはいつもこう答えます。感情移入しすぎかもしれませんが、この時点で自分内では詩織のことは本当に関係なくなっているんです。

 放課後は清川さんの好意に甘えてプールへ。あ、優美ちゃん。料理の特訓? じゃあ手伝うよ。プールでは目標タイムをクリアして教室へ戻ろうとすると・・・。あれ、なんだこの生徒手帳。鏡さんのか。

 帰宅すると鏡さんからTEL。そういうことだったのか。なんだこのクソガキ泣くんじゃねーよ。でもこの場面の鏡さんいいですね。家庭的というか、子どもに好かれるのは善人の証。さすが弟の扱いで・・・いやいや。

 翌日の放課後もプールに向かう。あ、美樹原さん。ってこのカラスは。わかったよ秘密にしとくよ。ちょっとクロに近づいてみるか。う、見上げるめぐちんがむちゃくちゃかわいい・・・(核爆)。

 ここでちょっとストーリィから外れます。『旅立ち』のミニゲームの入りかた(サブキャラストーリィ)は自然で、すごくいいと思います。

 水泳やエアロビクスはマラソンに直結するし、クロにことばを教えるのは同じ「輝いたとき」を持たない仲間、美樹原さんをサポートすることになります。料理は・・・。まあ、マラソンにはスタミナ、そのために栄養を摂るということで(笑)。

 それぞれの目標を達成した後の清川さん、鏡さん、めぐちんが、またすごく好きです(優美ちゃんは別。理由は次回で)。特に清川さんにはマラソンのコーチやプールを使わせて貰ったことへの恩返しができた、という気がして、自分自身すごく嬉しくなりました。

 というわけで、僕の場合第二週は完全に「詩織は関係ない」状態になってしまいます。っていいますか、ミニゲーム自体結構難しいですし。最初のプレイではお酒飲みながらやったこともあって、全然駄目でした。

 とりあえず日曜はスキー。あ、転んでしまった。脚に違和感、不吉。あ、やっぱり水着を観るには勝負が要るのね。スキーゲームは『彩』に比べると楽で、最初の勝負で詩織に勝ちました。

 とにかくプールだ水着だ水着だっ。・・・すいません、僕基本的に詩織より優美ちゃんのが好きなんで、優美ちゃんの水着のほうに感動しちゃいました。ていうかそのぉ、優美ちゃんのお尻に(爆)。

 翌朝。トレーニングを終えて帰ると、詩織がタオルを渡すために待っていてくれる。あれ、「詩織のことは関係ない」筈だったのになんだか胸が(笑)。

 ここからの詩織、っていうかシナリオ、反則です。帰りに公園に寄るのはまだ許しましょう。小さいときの思い出なんて出すなっ。だってちび詩織がかわいすぎるんだもんもんっ(走召 木亥 火暴)! はぁはぁ(←気が狂ってるので気にしないでください)。

注:ここから先は完全なネタばれになります。でも書きたいので、すでに詩織シナリオをクリアしたかた、もしくはクリアしてないけど読んでみるかというひとだけ、ここをクリックしてください。




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・・・とまあそういうわけで、詩織シナリオも号泣のうちに終了しました。涙でかすんでコントローラもよく見えません。ああ、『旅立ちの詩』買って本当によかった・・・。

 ゲームってどうしても、小説とか映画などのメディアよりも下に見られる感じがします。でも『旅立ちの詩』に関していえば、僕は下手な小説や映画なんかよりもずっとそのストーリィを楽しみ、感動できました。

 もちろんどんな優れた小説や映画でもひとの好みによって酷評されることはあります。『旅立ちの詩』もその例外ではありません。しかし僕個人の意見でいえば、これはすでに“ギャルゲー”という範疇を完全に超えた作品なのではないかと思います。

 もしある種のひとびとが“ギャルゲー”という視点だけで『旅立ちの詩』を捉え、プレイする機会をもたないとしたら・・・。それはけっこう悲しいことなんじゃないか、そのひとにとっても不幸なことなんじゃないかな、と、そんなふうに考えました。


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 そして一日毎にひとつずつ、寄り道の公園で幼い頃の「二人の時」が回想されてゆきます。これ、現在の主人公と詩織にとってもやっぱり、「二人の時」なんですよね。

 お互いの歴史と絆、そして気持ちを、確認する作業。この組み立てはすごくうまいと思います。誰でも幼い頃、異性(とその頃は特別に意識しなかったにしろ)とこんなふうに遊んだ記憶がある筈。それが主人公と詩織にシンクロしてゆく。

 そしてもうひとつの効果。回想によって、詩織の気持ちが主人公に傾いてきていることが実感できます。一度はフラれた(正確にそういわれたわけではありませんが)と思い込んでいた詩織が、また少しずつ近づいてきている。

 回想の後の詩織のことば。朝、ランニングの後にタオルを渡すために待っていてくれる詩織。そんな詩織、そして詩織と過ごした幼い日々(それはプレイヤーにとっては仮想の記憶ですが)が、すごく大切に思えてきます。

 いまなら詩織といても、他の子に冷やかされることもない。「詩織と一緒なら、どこへだってゆける」、ということばを口にすることもできる。ただし、それには自分に自信をもつこと。そのためにも、フルマラソンを走り切らなくちゃ・・・。そんな気持ちになります。

 ところが主人公ったらなんておばか。マラソン前日にコーチの助言も聞かずに走り過ぎて肉離れとは。「今回は諦めなさい。大会は来年もあるんでしょ?」。来年はないのだよ、立穴さん、裏地見るくん

 それでも走るっ! と臨んだマラソンは、清川さんの思いやり(主人公にとっては「余計なお世話」だったのかもしれませんが)でドクターストップ。まあこれは『コナミマガジン vol.11』の情報で予想できた展開でしたが・・・。

 そして卒業式当日。ああっなんてお約束な展開。いえ、別にけなしてるわけじゃありません。僕が主人公の立場でも絶対こうしたと思うんです。それだけ感情移入できたのか、シナリオがうまくできているのかは措いたとして。

 ともかく朝、好雄を公園に呼び出す主人公。

「お前なら走るの、止めないだろ?」

 この台詞でまず、泣けました。好雄がちゃんと女の子キャラと対等に扱われている。同時に“親友”という設定が生きてくるんです。男はこんなとき、親友を止めません。たとえどのような結果になっても。理解ってるから。相手がなにを本当に求めているか。

 好雄に不器用にテーピングしてもらい、思い出の詩織のヘアバンドを左手に巻いて、主人公は走りはじめます。このとき、僕(プレイヤー)の気持ちは完全に主人公と同化しています。

 これは正式な大会じゃない。記録は取れない。誰も見ていない。でも、それでも、主人公は走り続けます。ゴールまで走り続けること。はってでも辿り着くこと。それだけを胸に・・・。

 途中、バランスを崩して倒れ込む主人公。そして浮かぶ、小学校時代のマラソン大会の回想。風邪をひいた詩織にヘアバンドを借り、幼い主人公はこういいます。

「しおりを、ゴールにつれていく」

 ここでの“ゴール”は、“卒業”のメタファなんですね。単なる高校の卒業だけでなく、主人公が一歩おとなになることへの。そして、主人公と詩織の“幼なじみ”の関係からの。

 幾度か、疲れて立ち止まってしまったことがありました。でも、どうしても「リタイアする」が選べない。選んでしまえばもうひとつのエンディング(つまりバッドエンド)が観られるだろうと予想はつくのですが、どうしても選べない。

「詩織を、ゴールに連れていく」

 その想いがからだを満たしているのです。そして幼い詩織がいろいろなシチュエイションから、声をかけてきます。

「がんばって」
「がんばって」
「がんばって・・・!」

 すでに視界はぼやけています。それでもボタンを交互に押し、ようやく辿り着いたゴール。そこに詩織の姿を見つけた瞬間、もはやコントローラは涙で完全にかすんでしまいました。

「あなたと幼なじみで、よかった。あなたにいちばん近い女の子で、よかった」

 号泣。まるで主人公が詩織と過ごした時間、18年ぶんを一気に生きたような。そんな想いが胸を満たしていました。

・・・と、ここまで書いてきて、これって完璧に自己満足な文章だなあ、と一瞬思ってしまいました。でも、いいかな。途中で呆れたひとはここまで読んでないだろうし(^^;。

 ここまで読んでくれたかた、本当にありがとうございます。ここをクリックして元の場所にお戻りください。
















































武装蜂起した特殊部隊“FOX HOUND”の一員。超能力者で、他人の心のなかに侵入(ダイヴ)できるが、同時に侵入した人間の意識を共有してしまうことがあります。

『メタルギアソリッド』の主人公スネークとの対決の前に、「お前の性格を当ててやろう」といい、いきなり「ときメモが好きなようだな!」。これには正直びっくりしました。なんでわかったんだあ!? って。

一瞬メモリーカードの情報を読み込んだのかと思いましたが、たぶんこれ、誰がプレイしてもこの台詞になるんでしょうね。でなきゃ怖い・・・。

「トゥルー・ラブ・ストーリーが好きなようだな。To Heartが好きなようだな。・・・恋愛SLGが好きなようだな!」・・・ってをい。
















































ちょっと『To Heart』のあかりシナリオ入ってるかな、という気もしましたが(^^;、「幼なじみ」という設定自体は『ときメモ』および詩織のほうが先ですからね。要は泣かせてくれればいいわけで。
















































川原泉教授の『銀のロマンティック・・・わはは』より。これも読むたび泣ける作品です。この場面で、なぜか強く思い出しました。