『To Heart』Win:leaf、1997年。
『To Heart』PS:アクアプラス、1999年。

T153cm、B72cm、W57cm、H79cm。
なぜか道着を着ているシーンが存在しないので、勝手に描いてみました。空手は黒帯(初段以上)だと思うんですが、流派によっては15歳で黒帯は厳しいかも。設定はどうなってるのかなあ。


『To Heart』において、松原葵は悲惨なキャラだ。

まず出会い。昼休み、親友の雅史とパンを求めて購買部に走る主人公の目に、廊下で格闘技クラブ勧誘のための説明をしている女の子の姿が留まる。

これが葵なのだが、ここでいきなり選択肢(二択)。そして「そうだ、カツサンドが売り切れるっ!」を選ぶと、彼女は以後、その回のプレイでは二度と登場しない。

彼女以外のキャラとの出会いだと、少なくとも会話は交わす。保科智子は別だが、二度と登場しないということはない。そもそも葵の場合、「カツサンド」を選ぶと彼女の名前すら知らずに終わってしまうのだ。

次に、ストーリィ。18禁ゲームだったWin版がえっち御法度のPS版に移植されるにあたり、もちろん全キャラえっちシーンは外された。

しかし、PS版の各キャラにはそれを補って余りあるエピソードやイヴェントが追加されている。前回触れた保科智子の“町で偶然”などはその一例。

ところが葵の場合、えっちシーンが除去されただけ。追加のエピソードやイヴェントといえるものはなにもない。だから僕にとっての保科智子のように、彼女がPS版で新たな人気を獲る、という可能性はほとんどない。

そして、最大の悲劇。Kuramotoさんの『4コマ漫画 To Heart』にこんな作品(No.21)がある。

1.
2.
3.
 
4.
緑のペンキ缶を「ごくり」と唾を飲み込み見つめる葵。
ざばー、と頭から緑ペンキをかぶる葵。
さらにインカムを耳につけようとしたところへ、「何をなさってるんですかあ?」とマルチ登場。
泣きながらその場を走り去る葵。

そう。葵の最大の悲劇、それは、

マルチに顔も髪型も体型も似ている

ことなのだ。まあ、どっちがどっちに似てるというはなしではないのだけれども。ちなみに体型比較。葵:T153、B72、W57、H79。マルチ:T147、B68、W52、H73。

たいていのホームページの人気投票の結果を見ると、葵は人気がない。まあだいたい長岡志保と最下位を争う順位だ。逆にマルチは常にトップか上位。

つまり、あまりにふたりのキャラが被さり、しかもマルチのほうに人気が出てしまったため、その割を食ってしまった格好。さらに、ゲーム内のあまりの仕打ちを考えるに、僕は制作者さえもマルチに惚れ込んで葵を差別したのではないかと勘ぐっているのだが。

さて、本題。そんな悲惨なキャラ、松原葵ちゃんだが、僕は大好きだ。『To Heart』Win版の全キャラをクリアした後、お気に入りは「顔の(芹香)先輩、ストーリィのマルチ、性格の葵」と決定づけたほど。

『To Heart』のキャラと現実につきあうとしたら、僕は間違いなく葵ちゃんを選ぶと思う。ちょっと熱くなりすぎる傾向はあるが、その素直な性格にはひどく好感がもてる(以前書いたように、マルチのキャラは人間としては通用しない)。

それに、彼女は努力家だ。格闘技に燃えるのはもちろん、練習で疲れて家に帰ってからも「基本的に頭いいほうじゃないので」、予習と復習を欠かさない。野球しかやらないどこかの高校生に見習わせたい態度だ。

TVをあまり観ないし、ファッションに気を遣わないという点もいい。僕も同じだから、つきあっていても「だっさぁい」とかいわれないだろう。というか、葵ちゃんの場合はカラオケまで駄目らしいので僕より徹底しているが。

そして、お弁当イヴェント。桂木綾音の項でも書いたが、「好きなひとのために普段やり慣れないことにあえてチャレンジ」。この姿勢にぐっとくる。

しかもそれが『優美弁』や『弥生弁』と違い、下級生の女の子が作るお弁当でありながら(笑)、ちゃんとおいしい。きっと彼女には料理のセンスもあるのに違いない。いいお嫁さんになる資格充分(←核爆)。

さらに。時間を割いてお弁当を作りながらも、葵ちゃんは決して朝のロードワークをさぼったりはしなかっただろう。そうすると彼女はその日、いつもよりもっともっと早起きしなくてはならなかったわけで・・・。そう考えるとじーんとする。

・・・と、いうわけで。いい子なんだけどなあ。俺はツボ押さえられまくってるんだけどなあ。なんであんなに人気ないんだろう。やっぱペンキかぶってインカムつけるしかないか(^^;。



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