『To Heart』、PS、アクアプラス、1999年。

T161cm、B88cm、W57cm、H85cm。
本来、眼鏡を外した(私服の)いいんちょを描くつもりだったんですが・・・。いいんちょって割と肉感的なんですよね。からだ描くの大の苦手なので、いずれ・・・。


『To Heart』PS版は、Win版とちょこっと絵柄が違う。どこがどう、とうまくは説明できないのだが、とにかくなにかが、微妙に違っている。違うったら違うのッ(←@原田宗典)!

というわけで、こと絵柄だけの好みでいうと、Win版と比べて自分内ランキングが上下するキャラがなん人か出た。保科智子(愛称いいんちょ)は、そのなかでもランクが最高に赤丸急上昇したキャラだ。

もともと、僕のWin版での智子の評価はかなり低かった。まあストーリィは心情的には理解できないではないが、なんといっても顔が好みでなかった。そもそも僕には「めがねっこ」属性がないのである。

ところが、PS版では発売の前からどきどきしてしまった。『電撃PlayStation』に載った、2ページ大の『To Heart』PS版キャラ紹介。そのなかの智子の顔を見た瞬間、僕はこう思った。

「この娘は、こんなに無邪気な笑顔がつくれる娘だったのか・・・」

Win版の智子の表情は、(ラストを除いて)軒並みキツい。まあ、ハードな背景を背負ってるからしょうがないといえばないのだが、それにしてもキツい。ついでにいうと、僕は気の強い女もあまり好きではない。

ところが、PS版の彼女は、キツいことはキツいが、どこか丸い。あえて表現するなら、Win版では頑なな拒絶だったのが、PS版では「どうせわかんないよ」という諦めと寂しさをつけ加えた表情、といったところだろうか。

これは絵柄のせいもあるかもしれないが、おそらくはスタッフの考慮もあると思う。そしてその(丸みの)結果、真に「保科智子」は「いいんちょ」とふざけて呼称できる軽さを身につけたのだ。

すると、「拒絶」のときには強い否定にしか聴こえなかった彼女の関西弁が、ひどくチャーミングに聴こえる。そして、当初「諦めと寂しさ」だった丸みが、次第に自分に惹かれているからだと思えるようになる。

で、ここからはネタばらしになってしまうが、PS版の彼女を語るうえで欠かせない事柄なのであえて書く。PS版では、「街で智子と偶然出会う」イヴェントが追加されている。そして、そのときの彼女は裸眼。つまり、眼鏡を外しているのだ。

この智子、もうめちゃくちゃかわいい。僕ははじめてこのCGを観たとき、5分間固まってしまった。はっきりいって、『To Heart』PS版でもっともかわいいのはこのときの彼女だ。『空想美少女大百科』にこんな記述がある。

> 「あの眼鏡の奥には、どんな素顔が隠れているのだろう」、
> 「眼鏡をとった素顔、僕だけに見せてほしい」。
> こうした眼鏡っ娘幻想は少女漫画という閉ざされた世界から、
> アニメやゲームに波及していった。

そう。『To Heart』PS版の保科智子は、ストーリィの中途で素顔をさらけ出してしまった、珍しい「めがねっこ」だ。ところが、その素顔が本当にかわいい。そのうえ、「街で偶然」。つまりそれはクラスメイトたちは知らない、「僕だけの」素顔。

そして、なにより核爆なのが、ストーリィが順調にいった場合のクライマックス。主人公と「ひとつのベッドのなか」、「眼鏡を外した」智子は「無邪気な笑顔を浮かべ」、それも「頬を朱に染めて」、こういうのだ。

「す・き」。

そのとき、僕のアタマのなかで、「ぷつん。」と音を立ててなにがが切れた。Kuramotoさんも言及していたが、この表情と台詞(しかも声つき)、まさしく汎用人型決戦兵器。

ちなみに、Win版にも智子が眼鏡を外すシーン(CG)はふたつあるのだが、両方えっちシーンのもの(しかも一枚は・・・、あえてノーコメント)で、PS版の自然な表情とは比べものにならない。

・・・というわけで。『To Heart』はWin版をもってるひとでもPS版を充分楽しめるソフトだ。ついでにいうと、おまけゲームもそれだけで定価の価値があるくらい充実している。・・・買え(←爆)。


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『別冊宝島421 空想美少女大百科』、1999年1月3日発行、宝島社。
















































『ときめきメモリアル』の如月未緒と『センチメンタルグラフィティ』の保坂美由紀は、ある一定の条件を満たすとラストシーンでのみ眼鏡を外してくれる。

また、『トゥルー・ラブストーリー』の春日千晴、『トゥルーラブストーリー2』の深山早苗は、お約束の「眼にゴミ」、「眼鏡が壊れた」で裸眼になる。早苗の素顔がすごくかわいいことは、裏ぺえじで書いた。

さらにいうと、『トゥルー・ラブストーリー』の本多智子と『サクラ大戦』の李紅蘭には、記憶の限り眼鏡を外すシーンがまったくない。保科智子の「素顔」が(「めがねっこ」属性をもたない輩に対して)いかに効果的に使われているか、わかろうというものだ。