ときめきメモリアルドラマシリーズvol.1
『虹色の青春』、PS、コナミ、1997年。

4月16日(牡羊座)生まれのO型。
B78cm、W56cm、H80cm。
仲良くなるまではけっこうキッつい女の子。


『虹色の青春』での秋穂みのりのことを考えると、どうしても“もうひとつの可能性”について想いを馳せざるを得ない。

 もうひとつの可能性・・・。練習試合前々日、放課後の廊下。虹野と秋穂の立ち話を偶然耳にしてしまった主人公は、愕然とする。

 いちばん聞きたくない台詞を、いちばん聞きたくないひとの口から聞いてしまった・・・。練習にも身が入らず、コーチの逆鱗に触れて中途で帰宅する主人公。

 その日の夕方。練習後のサッカー部部室。虹野と秋穂が向かい合って座っている。

「わかってるんだ、自分でも。よくないって」
「・・・・・・」
「でも、やっぱり私、頑張ってるひとを見ると放っておけなくて」
「虹野先輩。先輩は補欠の先輩のこと・・・」
「もちろん好きよ。でもそれは、ひとりの男の子としてじゃないの」

 夜。習慣で神社に脚を向けてしまう主人公。そこには街灯の光に照らされてぽつんと佇む虹野・・・、ではなく、秋穂の姿が。気のせいか、その瞳は潤んでいるように見える。驚く主人公。

「いったいどうしたの、みのりちゃん」

 秋穂は答えずに駆け寄り、主人公に抱きつく。泣きじゃくりながら、彼女はいう。

「先輩・・・。クラブ、続けてください。虹野先輩が応援しなくても、私は先輩のこと応援します。誰が信じなくても、私は先輩の才能を信じます! だから・・・。クラブ、やめないでください。先輩!」

 二日後、練習試合当日。怪我をした上級生に替わってスタメン出場することになった主人公。その足には秋穂にプレゼントされた、新品のストライカーズマックス(注:サッカーシューズ)。

 そして試合開始のホイッスル。ベンチのほうをちらっと見た主人公は、そこに声を張り上げて自分を応援する秋穂の爽やかな笑顔を発見する。そして思う。

<あの笑顔と一緒なら、俺は苦しくてもずっと頑張っていける・・・>

 そしてエンディング。バックに流れるテーマソングはもちろん、『今はまだ遠いLove Song』。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・をい;・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 えー、いちおう断っておきます。上記はまるっきり僕の空想というか妄想です。実際には『虹色の青春』でこんなエンディングは絶対迎えられません。

 ただ、僕は信じる。『虹色の青春』をプレイしたひとのなかで、こんなエンディングを夢見たひとはかなり多数いた筈だ、と。

 秋穂みのりは、かなりアンバランスなキャラだ。基本的に考えかたはクールでしっかりしているし、世間的な知恵という面ではすごくおとなだと思う。

 しかし結構簡単にアタマに血が昇るわ、補欠決定の主人公の前で平気でレギュラー取った沢渡のはなしをするわ、なのにその沢渡の気持ちにはぜんぜん気付かないわ。精神面ではまるっきりコドモ。

 しかし、おそらく現実の高校生というのは、そういうものだろう。いや、高校生に限らず、たいていの人間というのは、なべてそういうギャップをもっているのではないだろうか。

 秋穂みのりは「地に足のついた」キャラだ。性格やそれをカタチづくる過去を、しっかりと描かれたキャラ。一週間を単位とする『ときメモ』本編ではなく、一日いちにちが深く掘り下げられているドラマシリーズでこそ評価されるキャラ。

 恋愛に関する初期症状(日々会ってなに気ない会話を交わしているうちにいとおしくなってゆく)を見事に捉えたという面で、ドラマシリーズという企画は成功だったといえる。

 そして初手からドラマシリーズ専用に構築された(つまり『ときメモ』本編では存在しえない)秋穂みのりが、ユーザーの人気(制作者側が意図したのかどうかはわからないが)を獲得しないわけがなかった。

 事実彼女はその必要がまるっきりないにも関わらず(←をいをいっ;)、Vol.2、3ともにかなり重要な位置づけとして出演する結果となっている。また、vol.2で登場した美咲鈴音もvol.3で登場するなど、高い人気を誇っている。

・・・あ、なんか外的側面ばかりにはなしがいっちゃったんだけど、はっきりいって秋穂みのりは性格的にもいい子(“よいこ”にあらず)だ。

 実はファンタジィである『ときメモ』ワールドにおいて、一般的な“いい子”を描こうと思えば、それは結局みのりや美咲鈴音みたいなキャラに落ち着いてしまうのではないだろうか。

 そして、もうひとつ。みのりには美咲鈴音と違って「次第に相手が自分に近づいてくる」快感がある。それにはいくつかの関門をくぐらなければならないのだが、それがどうした。それが恋愛の楽しみ(『ときメモ』本編にもいえることだが)ではないか。

・・・で、今日も僕は放課後のフリーキックに命を燃やすのだ。

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なんか『ときメモ』ファン、というか『虹色の青春』やってないひとにはわけわかんない内容になっちゃいました。すいません。

さて、秋穂みのりは「ときめきメモリアル ドラマシリーズ」のキャラですので、別に“うわき”じゃないのかもしれません。でもこのサイトは基本的に『ときメモ』PS本編についてのものですので、あえてこういう処置をとって大好きなみのりちゃんについて語ってみたかったわけです。ご了承ください。


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