福岡ドーム。
いわずと知れた、現在日本唯一の開閉式ドーム球場で、福岡ダイエーホークスのホームグラウンド。残念ながらこの日は雨が降っていたため、屋根が開くところは見られなかったのですが・・・。


東京在住のYさんが、「福岡ダイエーホークスの秋山選手の引退試合を観にいきませんか?」と、2002年10月6日(日)、福岡ドームのボックスシートを確保してくれました。

僕はこれまで福岡をなん度か訪れていますが、福岡ドームは都市高速(首都高速の福岡版)の上から、もしくは福岡タワーから眺めただけで、実際になかに入ったことはありません。ふたつ返事でOKしました。

さて、試合開始は18時から。その日は福岡在住の下の妹にクルマを借りて朝からYさんとほうぼうを回ったので、Yさんを先にドーム近くで降ろし、妹の家にクルマを返しにいきました。で、妹にドームまで送ってもらおうという寸法です。

ところが雨が降っていたこともあって、道路は大渋滞。妹の家を出たのは充分余裕のある時間だったのですが、テレビ西日本のビル辺りからほとんど前に進みません。地図で確認すると、目的地まではあと500mくらい。

17時30分で決心し、クルマを降りて歩くことに。妹に礼をいって車道を突っ切ります。なにせドームは目の前に見えているのです。軽い軽い。雨は降っていますが、心が躍っているせいか、寒さは感じません。

しかし。歩けど歩けどドームが近寄ってこないんですね。やっと辿り着いて見上げると、本当にでっかい。東京ドームなんて足下にも及ばない大きさです。とりあえず入口を捜してなかに入ります。残念ながら買い物している時間はなし。

さて、ボックスシート。噂には聞いていましたがすげぇです(ちなみに企業が買い切っていて、非売品です)。まず、冷蔵庫、ポット、TV、トイレつきのラウンジがあります。ガラス一枚でバルコニー席という観客席に直通です。

バルコニー席は球場のなかなので、もちろんナマの興奮が味わえます。で、ラウンジに入るとそこにはTVがあり、くつろぎながら観戦できます。煙草も吸えます。これはヘヴィスモーカーの僕には大変ありがたい仕様でした。

さて、試合開始。後攻のホークス、秋山選手はセンターの守備位置につきます。対戦相手、マリーンズのバッターがセンター前ヒット。秋山選手への打球に場内が沸きます。結局守備機会はこの一回のみでした。

そして、一回裏。その秋山選手が一番バッターとして打席に入ります。初球、高めのストレート、ボール。二球め、やはりストレートが低めに決まってストライク。そして運命の三球め、秋山選手のバットが白球を叩きました。

その瞬間、僕を含め、多くのひとびとが「これはヒットになる」と思ったでしょう。ところがライトの選手が(見た目は)軽々と追いつき、捕球。秋山選手の最後の打席は、ライトフライに終わりました。

さて、目当ての秋山選手の打席が終わったので、ここからは酔っぱらいモードです。まず、18時30分に運ばれてきたボックスシート専用、福岡ドーム特製二段幕の内弁当。これすっごくおいしい! 量が多いのには参りましたけど。

で、19時にエレヴェイタ前のラウンジにホークスファミリィがやってくるとのことなので、Yさんと一緒に見物にいきます。着ぐるみがふたり。ちっちゃい子どもたちが列を作って記念写真を撮っています。

僕は写真を撮られるのがあまり好きではないのですが、まあこれも記念になるだろう、と、最後にYさんに着ぐるみと肩を組んで写真を撮ってもらいました。うーん、なんかアットホームな雰囲気です。

さて、席に戻り。ボックスシートは16名が定員なのですが、同じボックスに居合わせたおばさんのはなしだと、通常は1ボックスに12名程度しか入れないとのこと。たしかに、僕らのボックスも12名しかいませんでした。

ボックスシートは冷蔵庫にワインやらビール、籠のなかにおつまみ類、頼めばピザなどをもってきてもらえます。これらは全部事後精算です。ちなみにYさんはコンビニでつまみを大量に仕入れたのですが、入口で没収されたとのこと。

で、すみません。僕はあまりビールを飲まないタイプなので、あの日、ボックス割り当てのシーバスリーガルの小瓶2本、ヘネシーの小瓶2本、全部ひとりで飲んでしまったのは僕です。ああっ、申し訳ない・・・。

というわけで、酔っぱらって試合内容はあまり憶えていなかったり・・・(汗)。とりあえずホークス大量リードで、6回表からスーパールーキー寺原クンがリリーフでマウンドへ。これは嬉しかったです。

7回裏のホークスの攻撃前にはYさんと一緒にジェット風船を飛ばしましたし、なんか少年に戻ったかのような(←ツッコミ禁止)感覚を味わえました。選手の応援も楽しかったですし。

結局試合は12対4でホークスの勝ち(試合内容に触れなくて申し訳ない)。しかし、ホークスは17安打も放ったのに、大ファンの小久保選手、城島選手、松中選手にホームランが出なかったのがすごく残念でした。

ホークスの勝利ということで、試合後に花火が上がります。残念ながら今日は雨で、屋根を開けずの花火でしたが、逆に轟音の反響で度肝を抜かれたり。

そして、秋山選手の引退セレモニー。驚いたのは、満員の観客が全然帰らないことです。レフトスタンドのマリーンズ応援団さえ誰も席を立たない。まさにミスター パシフィック リーグという感があります。

秋山選手の挨拶、花束の贈呈。そして・・・、秋山選手がゆっくりとグラウンドを一周します。その秋山選手に向けて、次々と、レフトスタンドからも投げ込まれる色とりどりのテープ。ちょっとうるうるしてしまいました。

引退セレモニーも無事終了。Yさんと相談の上、ちょっと間を置いて出ようということで一致。前述のおばさんは、年にかなりの回数福岡ドームに脚を運んでいるようで、帰りかたについて適切なアドヴァイスをいただきました。ありがとうございました。

さて、球場の外に出ます。せっかく福岡ドームにきたので、大ファンの小久保選手グッズを買いたいです。隣接の売店に入ってTシャツ、ユニフォーム型シャツなどを思い切り衝動買いしました(汗)。

帰りはYさんと地下鉄まで歩き、無事博多駅前のホテルに帰ってきました。このあとYさんや僕が夜のうちにふたたびホテルを出たかどうかは、皆さんのご想像にお任せします。

・・・しかし、いま読み返してみたらまるっきり日記の延長みたいな内容になってますね・・・。ま、いいか。


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1995年8月10日 初版 第1刷発行、小学館文庫。『間引き』の初出は、「ビッグコミック」1974年9月10日号。