渋谷(ジル)篇



 僕は、酔っていた。泥とまではいかないが、つぶつぶオレンジジュースくらいには酔っていた。アタマのなかを、ざらざらしたものが駆け回っている。

 にもかかわらず僕は、当初からの予定通り『タイム’ス リップ』が入っているビルのエレヴェイタに乗っていた。もっとも、時間が少し遅かった(既に17日に入って午前零時過ぎ)ことと体内のアルコール量の多さは、多少予定を外れていたが。

 半年ぶりの店は、ちゃんと存在していた。クレープ屋の屋台のような受付も変わっていなかった。おニイちゃんの「コースはどうなさいますか?」の問いに、頭上のメニュウを見上げた。・・・よく見えない。

 60分ヘルスコースにする。料金を払って写真指名をする。「この子たちならすぐお入りできますが」と二枚の写真を見せられる。・・・顔がよく見えない。どのみち写真はあまり信じてないし。

 プロフィルの欄を見ると、胸が片方の子は80cm、もうひとりは82cmだった。さっきまでの飲み会でDさんと「胸は小さいほうがいい!」というはなしをしていたのを思い出し、Yちゃん(バスト80cm)という子にする。

 10分ほど待って、案内される。ノックをして部屋に入ると・・・。部屋の内装に驚いた。和室だった。畳の上に布団が敷いてある。いや当たり前か。しかしこんな部屋があるとは思わなかった。なんと壁には白無垢が掛けてある。

「こんばんはあ」という女の子の声で、我に返った。挨拶を返し、彼女の顔を観る。ふつう、だった。ただ、ひどく幼い顔立ち(僕はロリコン)なのと、苦手なタイプの顔ではないのが気に入った。

「あの、今日俺結構酔っ払ってるから」
 服を脱ぎながら、先にいいわけをしておく。
「そんなに飲んでるんですか?」
「んー、かなり」

 シャワーを浴びにいく。僕にお湯をかけるYちゃんは、おっぱいが手のひらサイズですごくいいカタチをしている。それよりも気に入ったのは乳首だった。小豆、よりもひとまわり小さく、ぷくっと飛び出ていて、色も淡いピンクで、すごくかわいい。

 ボディソープを手に掬い、僕のからだに塗りつけながらYちゃんは、いきなりこんなことを訊いてきた。

「ねえ、『バイオハザード』ってやったことあります?」

「え? うん、3はまだだけど1と2はやったよ」
「私、こないだ最初のをやったんだ。面白いよね」
「面白いっていうか、怖いよね、1は」

 で、シャワー中は『バイオハザード』のはなしで盛り上がった。先に部屋に帰される。煙草に火をつけてYちゃんを待つ。僕は困っていた。息子がもう完全な臨戦体勢になってしまっていたからだ。

 昨夜の睡眠時間、4時間半(機内で仮眠1時間)。Yちゃんのかわいいおっぱいと乳首。バイオハザードの話題でリラックスできたこと。そういう要素がアルコールを超えて元気を形成しているようだった。

 戻ってきたYちゃんが、腰に巻いたバスタオルを取ってベッドにあおむけになるようにいう。なんか恥ずかしくて、バスタオルは取ったものの股間を押さえつつベッドに寝る。

「どうしたの?」
「いや、あの、俺のタイラントが・・・」

 そういいつつようやく股間から手を離すと、
「うわー、タイラントびんびんー
 Yちゃんは結構ノリのいい子らしかった。

「これならもうOKだね。じゃ、ゴムつけるからね」

 へ? そういえば受付で輸吉ふたり渡して、戻ってきたお釣りは漱石ふたりだったような気がする・・・。ま、いいか。たまには。

 ディープキス、から乳首にYちゃんの舌が移る。僕は両手でYちゃんの乳首をいじる。おや指の腹で擦ったり、ひとさし指となか指でつまんだり。Yちゃんの乳首はすぐに固くなった。その弾力がまた指に心地よくて、僕は愛撫を続ける。

 Yちゃんの舌は南下し、僕の股間へ。僕は上半身を少し起こし気味にして、乳首への愛撫を続ける。酔っ払っていたせいか、Yちゃんの口に包まれる感覚よりも、指で乳首の感触を味わうことのほうに興奮する。珍しいおもちゃを与えられた子どもみたいに、僕はそれに集中した。

 Yちゃんは息子の愛撫、僕は乳首の愛撫。息子を含んだYちゃんの口から「んふ、んふっ」と声が漏れはじめる。そんな状態がどれほどか続いて、Yちゃんは身を起こした。心持ち、顔が上気している。僕も起き上がり、再度ディープキス。

「ねえ。あなたのちくびって、すごくかわいいね」
「・・・かわいいのは、乳首だけ?」

 あれ、この娘、自分の顔にコンプレックスもってるのかな。
「ううん、顔もかわいいよ」

 それは嘘じゃない。上気したあどけないYちゃんの顔は、本気でかわいいと思った。時折見える歯の並びが、ちょっと悪いのが気にかかったけれども。僕は右手を乳首、左手を股間に回す。左手に肉とは違う感触。

濡れちゃってるよ」
「・・・だって、しょうがないじゃない」
「指は、入れてもいいんだっけ?」
「いいよ」

 ふたりとも中腰の不安定な状態のまま、みたびディープキス。Yちゃんの舌と口のなかの感触を味わいつつ、右手で乳首をさすりながら左手のなか指をYちゃんのなかに埋める。あたたかい。

「えっと、そうじゃなくて・・・」
 Yちゃんの手が僕の左手を取り、位置をずらした。
「ここ、触って・・・」

 そのまま、なんとなく今度は僕が上になる。僕はYちゃんの脚を開き、さっきみたいに両手で乳首を愛撫しながら、舌でYちゃんの指定した部分、つまり下半身の乳首より小さなお豆ちゃんを愛撫した。

 たぶんなかは未発達なんだろうと思い、舌はクリトリスへの愛撫に集中した。もちろん乳首は感じやすそうだから、両手でこっちも続ける。耳が断続的に挙がるYちゃんの声をキャッチしている。それがまた気持ちいい。

 いっときそんな行為を続けた後動きを止め、そこから口を離した。上からYちゃんの顔を覗き込む。さっきよりさらに上気した頬が、すごくかわいい。とろんとした眼でYちゃんが訊いてくる。

「ねえ、いつもはここからどうするの?」

 どきっとした。「じゃ、入れさせて」ということばが口から出かかった。冗談っぽくそういえば、Yちゃんが「うんいいよ、入れて」と答える確率はかなり高いんじゃないかと思った。

「・・・じゃあ、69しよう」

 数秒の逡巡のあとそういったのは、やっぱりルールは守らなくちゃいけない、と思ったからだろうか。一瞬アタマのなかにGさんのこと(『渋谷“懊悩”篇』参照)がよぎったからかもしれない。

 ともかく、69を選んでしまった僕の意向に沿って、上下関係を変換するためにYちゃんは起き上がった。代わりにベッドにあおむけになろうとした僕は、Yちゃんの口から信じられないことばを聞いた。

「ねえ、・・・ゴム、外してもいい

 これにも一瞬(これは1秒未満だけど)迷った。どんなつもりでYちゃんがそういってくれてるのか、わからなかった。わかっている筈だけど、まさかと思った。でも、いいや。僕はそれを単純に純粋に、Yちゃんの好意だと受け取ることにした。

 Yちゃんが股間を僕の顔の上にもってくる。そして剥き出しの僕を口に含む。上半身を浮かせ気味にしてYちゃんのおっぱいに両手を伸ばしかけた僕は、ひどく感動した。Yちゃんのお尻の穴が、すごくかわいかったからだ。

 色素は薄くて、皺がひどく少ない。たまに見られる突起物もない。女の子には滅多にいないのだが、イボや裂傷とは完全に無縁のお尻の穴(AFにいちばん向いている)だった。もう夢中でそこに舌を伸ばした。

 舌でお尻の穴を突つき、右手のなか指をなかに入れつつおや指でクリトリスをさすり、左手でふたつの乳首を交互に愛撫する。Yちゃんの喘ぎ声が聴こえる。愛撫に夢中になっていたせいか別の理由か、生の筈の息子にはほとんど快楽が感じられない。

 僕は完全に自分の行為にのめり込んでしまった。お気に入りのおもちゃをふたつ(乳首とお尻の穴)一度に与えられた子どものように。そして、おもちゃの本体が素直に反応してくれるのが、またすごく嬉しい。

 不意に下半身に、重いものが被さってきた。僕は行為を止めた。少し時間をかけて、ゆっくりとYちゃんが起き上がる。

「ねえ、あなたってお尻の穴もすごくかわいいね」
「えー、お尻の穴がかわいいってどういうことお?」
「女の子って、痔になっちゃう子が多いんだよ。あなたのはイボもないし皺も少ないし色も綺麗だし、すっごくかわいい」
「そういうものなの?」

 そんな会話でインターヴァルが取れたのだろう、

「・・・じゃ、ローション塗るね」

 Yちゃんはサイドボードの下に置いてあったローションの瓶を手にして、息子(もちろん生)と自分の股間に塗った。

「あの、・・・前はいまちょっとキツいから、うしろでもいい?」
「え、お尻でやらせてくれるの?」
「ちがーう! お尻は処女なんだからあ」
「じゃ、今日が貫通式ということで」

・・・オヤジギャグ連発、反省。Yちゃんはローションを塗り終わった僕に、ゆっくりとからだを重ねてきた。お尻の谷間に息子を挟み、手で押さえつけて腰を動かしはじめる。が、さほどもしないうちにタイマーが鳴った。

延長したいんだけど」
「えー、悪いよ。私のせいだもん」
「だって延長したほうが、あなたも儲かるでしょ」

 冗談のつもりだったのだが、そういった後、しまった、と思った。Yちゃんが一瞬悲しそうな貌をしたからだ。

「いや、あなたみたいなかわいい女の子とならもう30分一緒にいたいし、おっぱいかわいいし、やっぱ最後までイかせてほしいし、あ、後が詰まってなければだけど・・・」

 しどろもどろだったが、Yちゃんは笑顔を取り戻してくれて、受付に連絡してくれた。延長はOKだった。

 再度ローションを塗って、息子はYちゃんのお尻の谷間に挟まれる。Yちゃんにしてみれば前だと息子がクリトリスに当たるから存分に腰を動かせないという計算だったのだろうが、これは逆効果だった。

 酔っ払ってるから逆に冷静な僕は、右手でYちゃんのおっぱい(主に乳首)を愛撫しつつ、左手のひとさし指を狭い隙間に穿って、Yちゃんのクリトリスをさすった。性器はがら空きだが、お尻の穴は息子に擦られている。異種三点攻め

あ、んふっ、んふっ

 Yちゃんの腰の動きが徐々に小さくなっていく。ローションと愛液に塗れた左手を右手とトレードする。濡れた乳首の感触はさらに気持ちよく、右手は熱いYちゃんの股間をさする。たまに乳首の愛撫を休止して、Yちゃんの口に指を含ませる。

 しばらくしてまた手をトレード。結局両方の乳首がローションに塗れる。左手で右の乳首、右手で股間をさすりつつ、僕はからだを起こして口に左の乳首を含む・・・。

 不意にYちゃんの腰が完全に止まり、上半身が僕に被さってきた。どうしてだろう、当然のように僕はYちゃんの背中に手を廻し、きつく抱きしめた。はだかでの上半身の密着は、すごく気持ちよかった。

もぉ、駄目・・・」

 密着した姿勢のままで、Yちゃんが小鳥のようにいった。その息が乱れてるのが、やっと酔った耳でも解った。Yちゃんをすごくいとおしく感じた。

「もう、どうすんのよぉ。私あなたが今日最初のお客さんなのに、二回もイっちゃって。これからラストまでいなきゃなんないのに」
「嘘でしょ?」

 なん度もいうが、僕は自分のテクニックに自信がない。えっちな行為をしているときに女の子の嘘を見破る技量もない。

「ホントだよ。もう、からだガクガク」
「駄目じゃないか、ジル。そんなんじゃ脱出できないぞ」
「だってえ。あなたのタイラント、しぶといんだもん」
「でもタイラント破壊してくれないと、俺も困るし」

 結局、僕らは最終兵器のロケット砲を使うことにした。もう一度69の姿勢になり、Yちゃんが今度は手で、僕の息子をさする。再度眼の前にYちゃんのかわいいお尻の穴。性器に口をつけ、お尻の穴に舌を伸ばす。

 が、いかんせんとろんとしたYちゃんの手の動きは、アルコール漬けの息子には刺激が弱すぎた。

「そんなんじゃタイラントには勝てんぞ、こうするんだっ」

 Yちゃんの小さな手に自分の左手(僕はそういうときは左利き)を重ね、ぎゅっと握って光速ピストン。エネルギィ充填115%になったところで手を離し、あとはYちゃんに任せる。

・・・ほどなくして、僕に倣ってぎゅっと握ったYちゃんの手のなかで、息子は無事に果てた。ふう、どうにかイけたな、よかった。安堵に大きく溜息をついた僕にYちゃんは、

「ねえ、もう少しこうして・・・、ううん、練習してていい?」

 果てたばかりで敏感になっている息子を右手でぎゅっと握って、上下運動を続ける。そんなYちゃんがまたすごくいとおしくなって、

「ねえ、キスしていい?」
「えー、だってローションついてるし・・・」

 自分だってローションがついてる僕の指をしゃぶったくせに、と思ったが、さすがに口にはしなかった。ただ、いま考えると、それは逆の意味(Yちゃんの口にもローションがついている)だったのかもしれない。

 しばらく上下運動を繰り返して精液を完全に搾り取ったあと、Yちゃんはティッシュで綺麗にそこを拭いてくれた。息子はイったばかりのうえにその刺激で半立ち状態だったのでちょっと不満だったが、それはしょうがない。

 個室を出る。シャワー室に向かって歩くYちゃんの腰は、本当に頼りなかった(ちょっと信じた)。シャワーを浴び、イソジンで口を漱ぐ。Yちゃんが僕を洗いながら、訊いてきた。

「ねえ、なんで私を選んだの?」
「え・・・、顔で」

 まさか「胸が小さかったから」というわけにはいかない。

「だって私、いつも売れ残りなんだあ。『この子ならすぐ入れます』っていうときじゃないと、お客さんつかないの」

 あ、やっぱりこの娘、顔にコンプレックス感じてるのかな。普段はともかく、感じてるときの顔はすごくかわいいんだけどな、と思いながら、

「そういう物好きも、たまにいるんだよ」
「そうかなあ」
「だって、ここに間違いなくひとり、いるじゃん」

 それは正直、半分社交辞令だったけれども、Yちゃんは嬉しそうに「ありがと」といってくれた。

 部屋に戻って服を着終えて、

「ね、さっきうがいしたから、今度はキスさせてくれるよね」

 というと、Yちゃんは微笑って、最後にもう一度唇を重ね、舌を絡めてくれた。


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このコーナーではおなじみの『お元気ハウス』のことです。前回(半年前)いったときと名前が変わっていなかったので、この名前に改めることにしました。

渋谷駅から徒歩およそ10分。TEL:03(3406)8484













































全世界で100万本(だったかな?)を売った、カプコンのプレイステーション用ホラーアクションゲーム。先日シリーズ第三弾が発売になりましたが、僕はまだ購入していません。













































『バイオハザード』(第一弾)の最終キャラ(『ドラゴンクエスト』でいうと竜王みたいなもの)。当然ものすごく強く(しかも怖い)、「ロケット砲」でなければ倒すことができない。













































60分ヘルスコース(もとは性感コースだったと思うんですが)のお値段は18Kです。ただし、僕はいつもオプションで生フェラ生素股(+1K)をつけるので、本来は19Kになる筈だったんですね。アルコールって怖い。













































このコーナーの全ファイルを読んでくださったかたならおわかりかと思いますが、僕は気に入らない子にお世辞は使いません(私生活でもそうですが)。つまり僕が女の子に「かわいい」というときは、僕が本気でそう思っているときだけです。

お世辞かそうでないかというのは結構相手にも伝わるみたいで、女の子によってはそれをすごく喜んでくれます。それをまた僕が喜ぶ。・・・つまり、“擬似恋愛”ですね。だから苦手な顔およびからだをもつ女の子に当たったときは、逆に悲惨です。













































『タイム’ス リップ』に本番行為はありません。ていうか法律上、特殊浴場(ソープランド)以外での本番行為は一切禁止されています。

が、本番行為禁止の店でも、『渋谷“懊悩”篇』や『ザ・風俗譲』(別冊宝島編集部 編、1999年9月8日 第1刷発行、宝島社文庫)に書いてあるように、女の子にチップを渡すことや女の子の気分次第で本番が可能な場合はあるようです。













































前の注釈でも書きましたが、生フェラ生素股は本来オプションで、+1Kになります。だからゴムを外すと、僕は1K徳をするわけで、Yちゃんは当然どれくらいか損をしてしまうわけです。













































延長料金は30分10Kになります。遅漏気味のかたや酔っ払って入店するかたは、最初から時間の長いコース(80分21K)を選んだほうがお徳です。

ただし、『池袋(傷心)篇』のように、女の子や自分のコンディションによって、時間の長いコースを選んでもそれが水泡に帰すこともありますのでご注意。













































ものの本によると、後背位で性交しながら片方の手でクリトリスを、もう片方の手でお尻の穴を愛撫する行為を“三点攻め”というそうです。













































『バイオハザード』第一弾ではジル(女性)とクリス(男性)のふたりからキャラを選択できます。ちなみに第二弾ではクレア(女性)とレオン(男性)から選択可能。第三弾ではジルだけのようです。

あと、第一弾ではゾンビに支配された洋館から脱出するのがゲームの目的です。もちろん最終キャラであるタイラントを倒さなければ脱出はできません。