東京は雨だった。 電車と飛行機乗り継いではるばるやってきたのに雨かよ。多少気分が沈んだが、シャワーを浴びて16時過ぎにホテルを出る。新宿駅南口は混雑のなかにあった。どこかの党が街頭演説を行っている。明日は都知事選なのだ。もう自分には関係のないことだが。 渋谷で電車を降りる。目眩を起こしそうなスピーカの騒音。都知事候補のひとり、ドクター中松の選挙カーからのものだ。ものすごくゆっくりと進んでいるので、歩いている間中洗脳されているような気分になった。 お元気ハウスが存在するビルに入ったのは、17時過ぎ。ここにくると、エレヴェイタを降りる瞬間いつも「店がなくなっていたらどうしよう」と考えるが、この日は本気でちょっと焦った。 といのも、店の内装ががらっと変わっていたからだ。いきなり街の屋台風クレープ屋さんみたいな窓口があって、なかに座ったおニイちゃんが「いらっしゃいませ、ご予約、ご指名等ございますか?」と聞いてくる。 「いえ、ありません」 「コースはどうなさいますか?」 いわれて気付くと、窓口の上にクレープのメニューさながら、各種コースの説明と値段が書かれた紙が貼ってある。無難なところで60分性感生コースを選ぶと、おニイちゃんがラミネートコーティングの写真を差し出す。 「現在この三名がおりまして、全員すぐお相手できますが」 う、待たずにしかも三人から選べるとはラッキー。いちばんおしとやかそうで小柄(注:僕はロリコンです)という理由から、Aちゃんという子にした。しばらく待って部屋に通される。ノックしてドアを開けると、 「こぉんにちはあ」 「あ、こんばんは。・・・ってやっぱ変かなこの時間帯じゃ」 「だぁいじょーぶだいじょーぶ。どっちでも許容範囲だよお」 なんか喋りかたからしてテンションが高い子だ。とりあえず上着を脱いでAちゃんに預け、ベッドに腰を降ろすと、 「さあさあ、そこで止まっちゃ駄目駄目。どんどん脱いで脱いで」 「えっ・・・」 「ほらほらあ。ちゃんと見ててあげるからさあ」 仕方なく服を脱ぎはじめると、Aちゃんは本当に「じー。」といいながら僕の脱衣を見つめている。 「あ、あの・・・。恥ずかしいんですけど」 「なにいってんの、どうせ後で隅々まで見られちゃうんだからあ」 「そ、それとこれとははなしが・・・」 写真でのあのおしとやかそうな表情はいったいなんだったんだ・・・。はいいが、脱衣を見られるのに興奮したのか、いきなり息子が元気になる。断っておくと、まだAちゃんははだかになっていない。 「ほらほらぱんつも脱いで脱いで。あらまあもうこんなになっちゃって、いけない子ねえ」 僕の腰にタオルを巻き、今度はAちゃんが脱ぎはじめる。お返しに「じー。」とかいいつつ見物しようとしたが、Aちゃんは気にする様子もなく(当たり前か)手早くはだかになってタオルを巻く。なぜか手を繋いでシャワーへ。 からだを洗いながらもAちゃんはハイテンション。倉田紗南顔負けのマシンガントークをかましまくる。 「外、ドクター中松うるさくなかった? 控え室まで聴こえてきたもんね」 「洗脳されるかと思った。・・・あ、もしかしてあなたがテンション高いのって、アレで脳に変なものインプットされちゃったからじゃないの?」 「あははははっ、そうかも」 ・・・考えてみると結構失礼なこといってるな、俺。 「いま私花粉症だから、そのせいだよ。気が滅入るからわざと明るく振る舞ってるんだあ。・・・って、これが地だって噂もあるけど」 「花粉症の薬、服んでる?」 「うん」 「薬の服み過ぎでラリってるとか。アレルギー性鼻炎のクスリって、量間違えるとトリップすんだよね」 「えー、そうなの? 安上がりだよね、今度試してみよー」 上は会話が成立した数少ない例。ほとんどはAちゃんがかましたギャグにこっちが笑い転げるか、あまりのテンションの高さに圧倒されて押し黙るかだった。 ともかく洗い終わって、個室に戻る。ベッドに腰掛けて、まずキス。舌が入ってくる。ちょっとぎこちない感じがする。でも、悪くない。そのまま僕をベッドに押し倒すようにして、Aちゃんは舌で首筋や乳首を攻める。 「いいちくびしてるねー。もうこんなカタくしちゃって。ほれ、くりくり」 「わきばらとかは感じるのかなー? うりうり」 「ここをこんなふうにしちゃおうかなー。すりすり」 断っておくが、上はすべてAちゃんの台詞。・・・なんか照れる、っていうか違う気がする。サーヴィスのメニューのなかに“ソフトMコース”というのがあったのを思い出し、 「俺、コース間違えたかな。これソフトMコースじゃないよね?」 「ふつーのコースだよん。なんで?」 「なんかぢょおう様にことばでねちねちと攻められてるような気が・・・」 「ことばで攻められると、感じるのお?」 い、いや、そういうわけじゃ。そのうちAちゃんの口が息子に到達する。僕はちょっと不安になった。なにせ朝6時起きの睡眠不足。ワープ作戦の影響で、ウイスキィの酔いもまだ少し残っている。もともとコンディションはあまりよくない。 最初元気だった息子はAちゃんのハイテンションに気圧されてか、さっきまでの愛撫にも関わらずへなっとしている。いつもなら「やっとまんなかの脚にっ!」という感動に涙を流しているところなのに。 Aちゃんの舌が裏筋をなぞり、袋と玉を攻める。でもへなー。Aちゃんが息子自体を口に含む。でもへなー。次第に焦りが出てくる。が、焦ったところでやっぱりへなー。 Aちゃんは「おっかしいなあ、さっきは触る前から元気だったのに」という表情で息子を手で擦り、ちょっとだけカタくしてから再度愛撫。でもどうしても硬度は60%以上にならない。結局Aちゃんは愛撫を打ち切り、僕をベッドにうつぶせにさせた。 Aちゃんの舌が背中をつつー、となぞる。いつもながらぞわーとする快感。そして手で尻の肉をかき分けるようにして、アナル舐め。ちろちろ。息子を気にしてか、かなり執拗に攻めてくれる。気持ちいい。でもまだ息子は60%。焦る。 だが、ここからがAちゃんの本領発揮(?)だった。息子の不調もなんのその、ハイテンションのままAちゃんはいった。 「さーて、もっとよく見せてもらおっかなー。四つん這いになって」 「はあ?」 「ほらほら早くう」 とりあえず、いわれるままにした。全裸での四つん這いというのは、実は最も恥ずかしい姿勢ではないかと思う。自分のいちばん恥ずかしい部分を晒しているわけだし、なにをされても手が届かない。 「ほら、もっとお尻高く上げて。・・・うんうん、よく見える」 いいながらAちゃんは指でアヌスをぴとぴと、と触る。なんともいえない恥ずかしさがこみ上げてきて、頬が上気する。今度はAちゃんの舌がつんつん、と柔らかく突いてくる。 「あ、すぼめちゃって。かわいーねー。観察日記つけちゃおっかなー。あ、ひくひくしてるよー。もおー、すぐ反応するんだからあ」 ・・・むちゃくちゃ恥ずかしい。Aちゃんは実況中継付アナル舐めを続けながら、手で息子や袋をさすりはじめる。次第に息子が60%のラインを軽く超えて固くなってくるのがわかる。 <ひえ〜、俺ことばで攻められて悦ぶヘンタイだったのか!?> だが、気持ちいいものは仕方がない。息子が完全な臨戦態勢になったところで、Aちゃんはやっと四つん這いから解放してくれた。あおむけになるようにいう。 Aちゃんが上、僕が下から、軽いディープキス。そして騎乗位の姿勢で、まず息子を陰毛に擦りつけての素股。次に息子をお尻の割れ目に挟み込んで素股。そして僕から降りると、息子を口に含んだままお尻を僕の顔の上にもってくる。69だ。 Aちゃんの性器はとても綺麗だった。手で拡げて、クリトリスを舌で愛撫。んふっ、と声が漏れる。性器にも舌を入れてみたが、こっちは反応が少ないので、クリトリスを重点的に攻める。Aちゃんの喘ぎが大きくなる。今度は舌をアヌスに持っていこうとした。が、届かない。 「あのう、さっきのお礼にお尻を舐めたいんですがあ」 「え、あ、うん」 考えてみると結構マヌケな台詞だ・・・。とりあえずAちゃんはお尻の位置を下げてくれた。かわいいお尻の穴が目の前にくる。つんと舌で突つくと、きゅっとすぼむ。さっきのお返しとばかりに、 「んーよく見えるねー。あ、ひくひくしてるよかわいーねー」 などといってみたが、Aちゃんは返事の代わりに息子への口撃を強める。う、ちくしょ。無視されたことより、息子がけっこうやばい状態に陥っている。エネルギィ充填115%。 「あ、あの・・・。そんな強くされるとイっちゃうよ」 「だっめー。まだ駄目だもんね許さないもんねー」 といってちょっと緩めてくれたが、息子は悲鳴を上げ続ける(つまりすごく気持ちいい状態が続いている)。いかん、このまま舐められっぱなし(笑)では男がすたる。気を紛らすためにもAちゃんを攻めよう。 舌でアヌスを突ついたりなぞったりしたあと、先端をちょっとなかに入れてみる。ひどく柔らかく肉が拡がる。今度は少し深く入れてみる。ほとんど抵抗なく、するっと入る。Aちゃんがんふっ、と声を上げる。 そこでふと、サーヴィスメニューに“ソフトSコース”があったことを思い出した。たしかコースのなかに“アナルローター”が入っていた筈だ。ということはAちゃんのお尻は開発済み? 指でクリトリスをさすりながら、ゆっくり舌を出し入れしてみる。ぴくっと反応。間違いない。 今度はちょっと顔の位置をずらし、舌でクリトリスを攻めつつ左手のひとさし指でアヌスをさする。さすがに指を入れることはしなかったが、さするたびにひくひくして、その気になれば入ってしまいそうだった。 Aちゃんの口撃が次第に弱くなってくる。よし、攻撃は効いている。また顔の位置をずらしてアヌスに舌のピストン運動、おや指でクリトリスをさする。こちらのほうが反応がいい。さらに息子への刺激が弱まっている。 なんだか、妙な感覚だった。舌でアナルセックスをしているような。息子がAちゃんの口に包まれているから、余計そんなふうに感じたのかもしれないが。 徐々に舌の動きをはやめる。おや指は充血した突起をさすり続ける。そのうちAちゃんの舌が完全に止まった。手は息子を握っているが、口はただ喘いでいるだけ。僕は舌と指を動かし続ける。 ・・・一瞬、Aちゃんのからだがびくん、と震え、すべての動きが止まった。僕も動きを止めて、Aちゃんの股間から口を離した。 「・・・ごめん。なんか私、途中からぜんぜん動き止まっちゃってたね」 「感じた?」 「うん」 そのとき、タイマーが鳴った。げ、これで終わりかよと思ったが、タイマーを止めたAちゃんは当然のようにローションを息子と自分の股間に塗り、 「じゃ、今度こそちゃんと、イカせてあげるね」 と騎乗位素股をはじめた。僕はいつものように両手でおっぱいを揉みながら、おや指で乳首をさする。まだ余韻が残っているのか、乳首はすぐに固くなる。書き忘れていたが、Aちゃんのおっぱいは小さくて僕好み。 「ちくび、カタくなってるよ」 「あ、ふ、うん・・・」 上気するAちゃんの顔がとてもかわいく見える。が、やっぱり時間がなかったのかAちゃんの握りはきつく、表情とおっぱいを充分堪能する暇もなく、僕は終焉を迎えた。 あと始末を終えてシャワーを浴びる頃にはAちゃんのテンションはすっかり元に戻り、またマシンガントークをかましまくってくれた。 「しかしあなたってテンション高いね。なんか生き急いでるって感じ」 「んー。そのうち道でがはっ、とか血ぃ吐いて倒れちゃうかもね」 「はなぢとみみぢも出たりして」 「えー、こんな可憐な女の子が耳血なんて出さないよー」 「可憐? ・・・ってどの口がゆっとんねん。このクチかこのクチか」 「えー、だって大学じゃ可憐で通ってるもん」 「は?」 「私女子大生なんだよ、いちおう」 一瞬大学名を聞きたい衝動に強くかられたが、やめた。ルーズソックス履いたぢょしこおせえが東大を受験する時代なんだし・・・。 個室に戻り、服を着ながらAちゃんがシャワーを浴びるのを待つ間に、タイマーが再度鳴った。どうやらさっきのは10分前のものだったらしい。ちょっとほっとする。でも戻ってきたAちゃんは冷たい麦茶を持ってきてくれて、さらに5分ほどはなしをしてくれた。 「そういえば、さっき外でくしゃみしてたの、あなた?」 「え、ここまで聞こえちゃった? 恥ずかしいなあ。全部鼻炎のせいだっ鼻炎め鼻炎め」 「びえんびえんって、あんたはフランス人かい」 「え、なんで?」 「いや、“bien”ってフランス語で“good”の意味なんだよ、たしか」 「えーそうなの? やったあ、またひとつ賢くなったぜ」 「どうせ明日には忘れてるくせに」 そうかもしれない、私あんまり物憶えよくない女子大生だから。Aちゃんはそういってくすっと笑った。 店を出て小雨の渋谷駅に近づいたとき、“bien”はスペイン語だったような気がした。でもそれを確認する手段はなかったし、確認できたところでもう、Aちゃんに訂正することはできないのだった。 ドクター中松の選挙カーは姿を消していたが、他の候補の街頭演説は続いていた。僕は昔いきつけだった中野の焼鳥屋に向かうために、山手線の電車に乗った。 |
なん度も書いていますが、ここは店の名前がちょくちょく変わるので、いちばん気に入っているこの名前で呼んでいます。 この日Aちゃんに貰った名刺によると、このときは“タイム’ス◆リップ”(◆はハートマーク)という名前でした。渋谷駅から徒歩およそ10分。TEL:03(3406)8484 |
性感コースに新しくCコース80分(たしか21K)が追加されていました。Aコース45分が15K、Bコース60分が18Kは変わらず。生だとプラス1K。 さらに後述のようにDコース(ソフトS)とEコース(ソフトM)が増えていましたが、改装で動揺していたので料金や時間、詳しい内容はチェックできませんでした。 |
1996年放映のTVアニメ『こどものおもちゃ』の主人公。様々な問題に「エディ・マーフィーも真っ青なマシンガントークと熱いハートを武器に次々と立ち向かう」。声優を本職のDJが担当しているらしい。 ・・・が、実は僕、このアニメを観たことがない。上記はぜんぶ『別冊宝島349 空想美少女読本』(1997年12月4日発行、宝島社)で仕入れた知識(^^;。 |
飛行機の国内線全便が禁煙になってからはじめた手法。 飛行機に乗るときは前夜わざと睡眠不足にする。搭乗30分くらい前からウイスキィをがぶ飲みし、席に着いた頃には泥酔状態にしておく。運がよければ離陸前に意識がなくなり、着陸直前に気圧の変化で目が醒める。 怖いのはオーヴァーペースで搭乗前に眠り込んでしまうことだが、いまのところ失敗したことはない。ただし着陸後も酔いが残ってふらふらになっていることはよくある。 |