渋谷(釣合)篇(後編)



 とりあえず服を脱いで、シャワーを浴びる。個室よりシャワー室のほうが、照明が明るい。明るい場所で見ても、Hちゃんはやっぱりかわいい。おっぱいもあまり大きくないし、乳首もかわいくて完璧に好み。
「あの・・・。Hさんって、すごくかわいいですよね」

 ちなみにHちゃんはプロフィールでは21歳で、僕より当然齢下。じゃあなんでさん付け+ですます調になっちゃったのかというと、これは完璧に個人的な理由によるのでパス。

「えっ? 嬉しいなあ。ぜんぜんそんなこといわれたことないですよ。渋谷とか歩いてても声掛けられたことなんかないし」
「え〜、嘘でしょ?」
「あ、一回だけ『AVに出ませんか?』って誘われたことある」

・・・AVにスカウトされるくらいなら、やっぱりかなりイケているんじゃないかと思うんだが。

 個室に戻って、ベッドに腰掛けた状態でディープキス。なん度も書いているが、僕はディープキスがすごく好きだ。それだけで息子が臨戦態勢になる。Hちゃんは僕を腰掛けさせたままで、今度は乳首にキス。そのままつつー、と滑って股間へ向かおうとする。

<あ、やべ・・・>
 はだかの息子はすでに、涙を滲ませている。“池袋(傷心)篇”を読まれたかたは、そのなかのある部分を思い出していただきたい。そのとき僕の脳裏に閃いたのは、そのことだった。

「あの、もう、がまん汁出ちゃってるんだけど・・・」
 拭おうか、というつもりだったんだけど、Hちゃんは、
「うん、そうだね。私で感じてくれてるんだね、嬉しいな」
 そしてがまん汁を唇に含んで舌に絡める。一瞬Hちゃんの唇から粘っこい液体が糸をひき、そのまま息子はそのなかに収まってしまった。

 それは・・・。なんていえばいいんだろう。池袋でのことを思っていた僕は、その行為にひどく感動した。が、そのときのHちゃんの表情は、ただのかわいい女の子のそれじゃなかった。まるでAVを観てるような気がした。一瞬、Hちゃんはニンフォマニアなんじゃないかと思った。

 息子を完璧に硬くすると、Hちゃんは僕をベッドにうつ伏せにして、今度は背中を愛撫しはじめた。Hちゃんの舌がつーっとなぞるたびに、ぞくぞくっとする。ただ、こっちは肩や腰を揉んでもらってるような快感。

 そのうちHちゃんの舌が、僕の尻をなぞりはじめる。え、そうすると・・・。予想(期待)通り、Hちゃんは両手でちょっと尻の肉をかきわけるようにして、そのままアナル舐めを開始。

 うつ伏せの姿勢で肛門を愛撫されるのははじめてだ。“ちんぐり返し”や四つん這いに比べて恥ずかしさは薄いものの、なんとなく快感も薄いような気がした。Hちゃんはかなり長い時間そこを舐めてくれたあと、僕をあお向けにした。

 再度ディープキス。そして乳首の愛撫。脇腹、脚・・・。そろそろ息子だ、と思っていたらHちゃんは行為を中断していった。
「ねえ・・・。攻めてみる?」
 もちろんです。やらせてください。

 からだを入れ替えて、今度は上下逆になってのディープキス。乳首を口にしながら、掌で逆のおっぱいをさする、という行為を交互に繰り返す。ただ、Hちゃんの反応がいまひとつだったように思ったので、

「脇の下とかは、感じますか?」
「うーん、攻められたことないから・・・。くすぐったいかも」

 当たりだった。脇の下にキスしたり舌でなぞったりすると、Hちゃんの息は大きくなった。ひとさし指の腹で擦っているHちゃんの乳首が、だんだん尖ってきた。

<もう、いいかな>
 Hちゃんの乳首が固くしこったのを見計らって、僕は脇腹を舐め、おへそに舌を這わせた。股間に顔をもってゆこうとすると、Hちゃんは僕が動きやすいように、自分で両脚を抱えてくれた。

 以前“顔は性器を表す”という文章を読んだことがあるが、Hちゃんのそこは、やっぱり顔と同じようにかわいかった。突起に舌を這わせるとHちゃんのからだがぴくっ、と震える。どうやらここがいちばん感じるらしい。僕は突起を攻め続けた。

「指は、入れちゃいけないんだよね」
 確認のつもりでそういったのだが、Hちゃんは、
「え? いいんだよ、入れても
 一瞬耳を疑った。が、聞いた瞬間手はすでにそこへ向かっている。悲しいオトコのサガ(←をい)。

 左手のひとさし指(僕はあお向けになったHちゃんの左側に位置していたので、左手のほうが使いやすい)を、そっとそこに当てる。表面はそうでもなかったが、ゆっくりと指を進めると、なかはしっとりしていた。

「濡れてるよ?」
「うん、濡れちゃった」

 ゆっくりと指を動かす。舌は突起を舐め、右手はおっぱいをさすりながらおや指の腹で乳首を擦る。Hちゃんの声が大きくなり、指の動きがスムースになってゆく。途中でなか指を動員する。

 ふと思って、口を突起から離した。
「お尻は、感じますか?」
「え? うーん、どうだろう、よくわかんない」

 それでもHちゃんは、僕が指を抜くと脚をさらに高く掲げてくれた。さっき指を抜いたばかりの穴がそのままのカタチで口をぽっかりと空け、その下に綺麗な色のすぼみがある。ひどくエロティックな光景だった。また、AVを観ているような気分になった。

 とりあえず、Hちゃんのすぼみを舐めてみる。よくわかんないといっていた割にはHちゃんは一瞬きゅっとそこをすぼめ、声を挙げる。もはやおっぱいには手が届かないので、僕は左手でHちゃんの脚を支え、右手のおや指の腹で突起をさすりながら、そこを舐めたり、舌を差し込んだりした。

 僕がHちゃんのそこから口を離すと、
「ねえ、今度は私が気持ちよくしてあげるね」
 あれ、前に同じような台詞を聞いた記憶が・・・。あお向けになりながら、僕は左手のひとさし指をちょっと舐めてみた。ローションの味じゃない。ちょっとほっとする。

 四度めのディープキス。乳首はさらっと済ませて、Hちゃんはすぐに僕の股間にまわった。息子はちょっと萎れていたが、もちろんがまん汁は大量に滲ませている。Hちゃんはまたそれを舌に絡め、息子を口に含んだ。

 まずアタマを愛撫して硬くしたあと、本格的な口撃がはじまる。これが凄かった。基本的には上下運動なのだが、それを顔を左右にゆっくり振りながら行う。しかも手が唇に沿って動く。唇に締めつけられる快感と、口の内壁の感触と、手で擦られる感覚が同時に味わえる。

 あっという間(三分も経っていない)にエネルギー充填115%まで達した。そのままヴォルテイジが上がってゆく。歯を食いしばって耐えた。ふっと愛撫が止まり、Hちゃんの声が聴こえた。

「ねえ、最後はお口と素股と、どっちにする?」
「え、だって・・・。生だよ。口のなかに出しちゃうんだよ?」

 Hちゃんはうふっ、と微笑った。
「いいよ・・・。飲んであげる
 そして、また息子を口にした。

 あっという間に快楽が押し寄せる。歯を食いしばって耐えながら、必死で考えた。このままHちゃんの口のなかでイケば、ものすごく気持ちいいだろうことは、容易に想像できた。でも・・・。硬度が119%になった瞬間、決断した。

「やっぱり、素股にして。口に出しちゃうのって、やっぱ悪いよ」
 Hちゃんの愛撫が止まる。危ないところだった。
「優しいんだ」
「だってさ、俺、自分で飲んだことないけど、精液ってすげえまずそうじゃん」
 Hちゃんはまた、うふっと微笑う。
「そうだね・・・。たしかに、おいしくはないよね」

 ローションが塗られて、騎乗位での素股がはじまった。僕はHちゃんのおっぱいに両手を伸ばして乳首をおや指でさすったが、もはや余裕がなかった。なにせ初手から115%までいっているのだ。ちょっと待てをいをいをいっ、と思っているうちに、あっという間(たぶん二分も経っていない)に僕は射精してしまった。

 あと始末を終えて、Hちゃんがタイマーを見る。僕にもちらっと見えたが、まだ15分も残っていた。こんなにはやくイケてしまったのははじめてだ。

 それからタイマーが鳴るまで、Hちゃんといろいろはなしをした。彼女はめちゃくちゃウケて大笑いしてくれたが、詳細には触れない。ただ、シャワーを浴びてる最中に交わした会話だけは書いておこうと思う。

「お客さんって、面白いひとですね」
「ふつうの客って、あまり喋らないの?」
「うん、こっちがいろいろはなしかけても、『うん』とか『いいや』とかしかいわないひともいるし」
「だってさ、俺、なにも喋らないのって、かえって相手の女の子に失礼じゃないかって思うんだよね」

「そうなんですよ。相手が無口だと、『私のこと気に入らなかったのかな』なんて思っちゃう。そうすると、こっちもやる気なくなっちゃうんですよね」

 だそうです。気をつけましょう(←自分もな)。

 帰るとき、Hちゃんは最後ににこっと微笑って、
「今日、ありがとね。すっごく楽しかった」
 といってくれた。たとえ社交辞令だとしても、そのことばは嬉しかった。

 考えてみると、ふーぞく店にいってこころとカラダ両方が充分満足したのは、これがはじめてかもしれない。Hちゃん、どうもありがとう。


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