池袋(断層)篇



 6月まで仕事がかなり忙しかったので、ちょっとふーぞくに足を向ける機会と体力がなかった。仕事が一段落し、7月10日には待望のボーナスも出て、ひさびさに「いくかー!」という気分になる。

 あんまり同じ店ばかりにいくのも芸がないので、新規開拓をやってみようと思いついた。まずは、情報収集。自前のモデムを購入し、自分でプロバイダと契約したおかげで(←自分のパソコンも買えよな;)、いまや俺にはインターネットという強い武器があるのだ。

 サーチエンジンで“風俗”を検索して、『NIGHT GALS』というホームページを発見する。店によって差がある(たぶん店側の自己申告だろう)が、わりに細かくシステムなどが紹介されていて、なかなか充実。顔出しOKの女の子の場合は、顔写真まで掲載されている。

<ボーナス入ったことだし、ちょっと奮発してAFかな・・・>
 そう思いつつ『Y-倶楽部』の女の子紹介ページを見ていた僕の眼が、Mちゃんという子のところで、ふと止まった。

<こっ、これわっ! なんてかわいい女の子なんだ!>
 自分で“写真指名を信じるな”という格言をもち、しかも掲載されていた画像はGIFの、そのうえかなり小さなものだったにも関わらず、僕は衝撃を受けた。

 こんなかわいい子とお尻でできるなんてすごい! 単純にそう思った僕は、ボーナス支給日と給料日の中間だから客が少ないだろうという単純な思考から、7月19日の土曜日に池袋に足を運んだ。

 池袋駅前から電話して店の場所を聞くと、「東急ハンズの前から再度TELしてください」といわれたので、ハンズへ向かう。しかし! 公衆電話が見つからない。僕は携帯電話というものが嫌いなので、ケイタイもピッチも(いまだに)もっていない。

 公衆電話はあるにはあった。しかしそれはハンズのまん前のでかいアミューズメントビルの一階に並んでいるもので、ボックスではない。しかも三台あるうちの一台(それもまんなか)を、若くてわりにキレイな女の子が使っている。

 若くてかわいい、一般人の女の子のすぐ隣で、
「コースはどうなさいますか?」
性感なめなめVIPスペシャル満足コースでお願いしますっ!」

 なんていう会話を交わす度胸を、小心者の僕はもちあわせていない。仕方なく、僕は彼女が電話を終えるまでの約十分間、路上で煙草を吸いながら待った。

 さて、首尾よく店の場所を聞いてその方向へ歩き出すと、五メートルほど先に、歩きながらおもむろにケイタイを取り出した青年がいた。しかも、はなしながら僕とまったく同じ方向に歩いてゆく。

<あれ・・・。まさか・・・>
 予感は当たった。結果的に僕は彼を尾行するカタチになった。彼は僕が目的地としていたビルに入ったのだ。さすがに気まずいので一分ほど時間をずらしてビルに入り、エレヴェイタの階数表示を見ると、それは僕が降りるべき階で止まっていた。

<悔しいいいいいいっ!>

 ケイタイさえもっていれば。公衆電話を使っていたあの女の子がぶ○だったら。いやかわいくても、すぐに電話を終えてくれていれば。僕は彼より先に、店に入ることができたのに。

 こういうお店では、とにかく先に入ったほうがトクをする。彼はすぐに入れたのに、そのせいで僕が一時間待ちなんかになっちゃったりしたら。僕はこのときほど「ケイタイが欲しい!」と切実に感じたことはない。

 さて、店に入って写真指名をする。お目当てのMちゃんが入っていたので、 すごく嬉しかった。もちろん彼女を指名し、90分AFコースを選択して、入会金2Kと併せて33Kを払う。

 30分待ちということだったので、ロビィに座って在籍者名簿(っていうのか?)を見る。Y−倶楽部に所属している全女の子の写真とスリーサイズ、簡単な自己紹介などが書いてある。『NIGHT GALS』で紹介されていた倍くらいの女の子がいた。

 そのうち会員番号(入会金を払うとすぐに会員証をくれるのだが、それに書いてある)を呼ばれた。
「これをもって、○○○号室にいってください」
 どうやら受付&待合室とプレイする部屋は、別々になっているらしい。手渡された紙には、会員番号とMちゃんの名前、コースの内容などが書いてあった。

 指定された部屋の呼び鈴を押すと、ドアが内側から開いた。
「こんばんはー」
 僕はいい意味で、また裏切られた。Mちゃんは、写真よりももっと好みの顔立ちをしていた。いまにして思うと、パイレーツの若いほうの子のような感じ(当時はパイレーツを知らなかった)。

 僕はMちゃんに紙切れを渡して、靴を脱いだ。もともとはかなり広いぶち抜きの部屋を、パーテイションでシャワールームと廊下とプレイルームに区切っているようだ。どこかから、かすかに女の子の低い呻き声が聴こえてきた。

 個室に入って、部屋の広さに驚いた。『平成』は別格としても、『お元気ハウス』や『尻キチ隊』はほとんどベッドだけで部屋が占領されていたのに、ここはそれ以外のスペースが倍くらいあって、ひどくゆったりしている。

 まず、シャワー。間近で見ると、Mちゃんはホントにかわいい。おっぱいがぷるんぷるんとして、もう息子はMちゃんが手を触れる前から臨戦態勢に入ってしまった。

 個室に戻って、Mちゃんとはなしをした。が・・・。なんか、話題が噛み合わない。Mちゃんはカラオケにはあまりいかないし、ゲームが好きらしいのだが僕の苦手な落ちものとかパズルものが好みだという。しかも当時、僕はプレイステーションをもっていなかった。

 で、なんとなく噛み合わないはなしがずるずると続いてゆくので(Mちゃんは僕で上がりらしかったから、疲れてたんだと思うけど)、珍しいことに自分から「んっと、そろそろ・・・」と催促してしまった。

 まずは定番通り、Mちゃんが僕のからだを愛撫。軽いキス、乳首、脇腹、そして脚。はなしが噛み合わない(コミュニケイションがとれていない)ことで多少心が醒めていたが、やはりかわいい女の子に舐めてもらうのは気持ちいい。

 息子を愛撫したあと(フェラが好きでないのか、かなり形式的なものだった)、Mちゃんが、
「ねえ、前立腺マッサージ、する?」
 と訊いてきた。

<ああ、アナル舐めかあ>
 そう単純に考えた僕は、「うん」と答えた。

「じゃ、四つん這いになってね。お尻、高く上げて」
 いわれた通りにすると、また“女の子になった”ような気がした。Mちゃんが僕の肛門に、なにかを塗りつける。え、まさか・・・。

「力、抜いてね」
 わ、と思った。Mちゃんの指(おそらく小指)が、するっと僕のなかに入ってきた。そして、左手でタマをくにゅくにゅしながら、僕のなかに入っている指を、うにうにと動かす。こ・・・、こりゃタマらん。

 わりに短時間で、Mちゃんの指は僕から抜かれた。
「気持ち、よかった?」
 そう無邪気に訊くMちゃんの声に・・・。いや、たしかに気持ちよかったけど、なにか“犯された”という感覚をもってしまった僕は、異常だろうか?

 ここで攻守交代して、僕はMちゃんのからだを攻めた。が、ちょっとキツい。なにせMちゃんは脇の下を舐めても乳首を舐めても脇腹を舐めてもおへそを舐めても、

「やだあ、そこ、くすぐったあい」

 という反応しか、示さなかったからだ。ことばだけならともかく、実際にくすぐり笑いまでされてしまうと、さすがにそこを攻める気がなくなる。仕方ないので、異例のスピードでMちゃんの股間に到達した。

 Mちゃんのそこは、無毛だった。いや、正確にいえば剃ってるんだけど、はじめて見る無毛のそこは、とてもキレイだと思った。実際Mちゃんのそこは、 キレイな色をしていた。

 しかし。くすぐったがらないのはいいが、どうもMちゃんの反応が鈍い。僕の愛撫が下手だからか、Mちゃんのそこが未開発なせいなのかは、わからなかったけれど(たぶん前者だ)。

 これじゃどうしようもない。早々に愛撫を打ち切って、Mちゃんのなかに入ることにした。Mちゃんは僕の息子にゴムを被せると、自分のお尻にローションを塗り込め、四つん這いになった。

「もっと下」
「もうちょっと上」

 Mちゃんのアドヴァイスを聞きながら位置を細かく調整しているうちに、息子がMちゃんのなかに、するっと入った。

 最初に感じたのは、「意外にあったかいなあ」という感触だ。僕は、AFの経験はHちゃん(“池袋”ツキおよび再会篇参照)としかない。

 Hちゃんのときは、もうHちゃんと繋がってるということだけで満足だったのが、Mちゃんだと“なんか噛み合わない”という意識のせいか、逆に肉の感触をクールに分析できるようだった。

 ともかく、僕は腰を動かした。しかし、またも、

<あんまり、気持ちよくない>

 という感触があった。比較するのはものすごく失礼なんだけれども、僕にとってMちゃんがHちゃんに勝っているのは、“基本的な顔の好み”という一点だけだ。バックスタイルでは、その利点さえも、失われてしまう。

 ひとしきり・・・、どころのはなしじゃない。僕は汗だくになりながら20分以上腰を動かした。が、もう少し、という感覚まではいくのに、どうしても射精まで到達できない。

 なん度めかの小休止をとったとき、残り時間を気にしたのか、Mちゃんがいった。
「ねえ、お尻じゃイケないみたいね。素股にする?」

 素股は、正常位で行われた。しかも生だった。Mちゃんのそこに直に触れているという感触は、なぜかAFよりも気持ちよく思えたし、演技かどうかわからないけど、貌を歪めて息を荒げたMちゃんの表情は、たまらなく魅力的だった。僕はものの五分と経たないうちに、Mちゃんのお腹のうえに出していた。

 シャワーを浴びて、服を着て、僕は家路に着いた。やっぱり、セックスはメンタルなものなんだと、実感しながら。


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ことAFに関しては、老舗の店のようです。よくふーぞく雑誌などにも取り挙げられています。ちなみにその後、店の移転に伴って、サーヴィスやコースの内容も多少違ってきているようです。

TEL:03-3987-4332(これは現在のもの)

なので、最新情報を入手したいかたは、ここにアクセスしてみてください。













































確認のため先ほどこのページを見たら、Mちゃんの写真は外されていました。辞めちゃったのかなあ・・・。