渋谷(泥酔)篇



 さて、また仕事がちょいと忙しくなった。 その日は土曜日だったが、休日出勤した。 といっても、出勤するはずだった先輩が二日酔いでダウンしたため、会社にいたのは僕とGさん(第二回参照)だけだったが。

 仕事のきりがついたのは21時。 「飲みにいこうよー」とGさんがいうので、居酒屋にいった。 ・・・はいいが、その日Gさんは疲れてたのかえらくハイだった。

「よし、これから渋谷だー!」
 というわけで、僕らは終電間際に居酒屋を出て地下鉄に乗り、渋谷に出た。 そして、Gさんいきつけの、女の子がつくパブに入った。

 で、我々は閉店の三時まで飲んだ。 たまたま僕らのテーブルについた女の子が、ちらちらぱんつを見せてくれる子がひとり、やたらはなしが合う子がひとりいて、僕は調子に乗って飲みまくった。 たぶん三時間でボトル半分くらいいったと思う。

「もータクシーで帰るお金ないよー。始発まであそこで時間潰そうよー」
“あそこ”とはもちろんお元気ハウスのことである(そのほうがお金かかるような気もするが)。 お元気ハウスは四時まで受付をしている、とてもいいお店だ。 だからガサ入れを喰らうんだ(“渋谷(快感)篇”参照)という意見もあるが。

 さて、はっきりいってふたりとも酔っぱらっていた。 ので、写真指名は本当に適当で、ふたりとも“VIPコース、60分”を選んだ。

「いらっしゃーい」
三十分くらい待たされてかなり茫洋とした頭で個室に入ると、元気な声が僕を迎えた。
「Nでーす」

 白状すると、そのとき僕の頭を占めていたのは“眠い・・・”という一事だった。 とりあえず目を擦って、Nさんを見る。 ・・・眠気が一瞬、ふっとんだ。 Nさんは、和久井映見と森高千里を足して2で割ったような(なんだそりゃ)、とてもかわいい女の子だった。

 シャワーを浴びて、個室に戻る。 タオルを外してはだかになって向かい合うと、本当にNさんをかわいいと思った。 なぜか、Nさんにキスしたいという欲求が、とてつもなく強くこみあげてきた。

「キス、好き?」
「んー・・・。舌入れたりとかは、好きじゃないけど」
「じゃ、舌入れないで、キスしよう」
・・・僕はディープキスが好きなのだが、仕方ない。

 やっぱり、えっちな行為というのはメンタルなものだと思う。 Nさんとのキスは、まるではじめて同志がするような、とてもあっさりしたものだった。 でも、僕はひどく満足した。 息子がカタくなってるのが、はっきりとわかった。

「ねえ、あなたって、すごくかわいいよね」
「え、やだあ・・・。なにいってんのお」
「ほんとだって。俺、嘘いえない男だから」

 ふふっ、と微笑ってNさんは僕を仰向けに寝かせ、愛撫をはじめた。 乳首、脇の下、脇腹。 そして、“ちんぐり返し”というか、僕に膝を抱えさせて、Nさんの舌が僕の肛門をちろちろとなぞる。 こ・・・、こりゃたまらん。

そしてようやく、Nさんの口が息子を愛撫する。 僕はそれまでずっと、Nさんのカタチのいい乳房や小さくてかわいい乳首を手でさすっていたが、Nさんがお尻を僕の顔にもってきた(つまり69ですね)ので、そこをまず、観察した。

 そこはちょっと黒ずんでいたけど、Nさんの顔と同じように、すごくかわいらしいカタチをしていた。 “この女の子を、感じさせたい”と痛切に思った。 僕はNさんのそこに、口をつけた。

 僕はもう、もってる限りのテクを総集して、Nさんのそこを攻めるつもりだった。
「指は、入れないでね」
 思いついたように、Nさんがいう。

「じゃ、この穴なら指入れてもいいのかな?」
 僕はすぼんだ穴に、舌を伸ばした。 甘い味がした、ような気がした。
「ダメ!」
 Nさんが慌てたように叫ぶ。 同時に、息子を愛撫していた彼女の舌が止まる。

「なんで、ダメなの?」
「だってさ、お菊ちゃんが、かわいそうじゃない。 たまにそういうお客さんいるんだ。 あなたはまだいいけど、なんにもいわずに、いきなりお尻に指入れてくるヤツ」

「ごめんね」
 なにが悪かったのかわからないけど、とにかくそういわずにはいられなかった。
「ううん、いいのよ」
 Nさんはそういって、息子の愛撫を再開した。

 僕はNさんの性器とクリトリスとお尻の穴を、執拗に舌で攻めた。 指を封じ手に指定された以上、舌しか武器はない。 それでも、Nさんの口から、おそらく演技ではない声が漏れるのを、僕の耳はキャッチしていた。

「じゃ・・・」
Nさんは息子にローションを塗りたくったあと、騎乗位素股をはじめた。 僕はNさんの乳房に手を伸ばして、揉みながら親指で乳首を擦った。

「んっ・・・!」
 乳首が弱いのか、Nさんの貌が歪む。 その表情が、とてもかわいらしいと思った。

「ねえ・・・」
「なに・・・?」
「あなたって、ホントにかわいいよね」

 Nさんの貌が、まるで中学生の女の子みたいに上気した
「もう・・・、ばかなことばっかりいって・・・」
「だからあ、俺、ホントのことしかいわないんだって。そういう奴なんだから」

 その瞬間、Nさんの顔が、僕の顔に近づいてきた。 彼女はゆっくりと腰を動かしながら、唇を僕の唇に重ねた。 彼女の舌が、唇を割ってくる。 一瞬頭のなかが真っ白になったあと、僕は夢中で自分の舌をNさんに絡めた。

 そのとき、なんというか・・・。 僕は、Nさんと“繋がった”と感じた。 いや、まあ、反論はいくらでもあるだろうけれども、
「舌入れたりとかは、好きじゃないけど」
 そういいきったNさんが自分からディープキスをしてくれたことに、ひどく感動を覚えた。

 しかし、やはりアルコールは偉大だ。 精神的にものすごい満足を得ていたにも関わらず、放出できないままでタイマーの音が、部屋に虚しく響いた。

「どうする?」
「延長する!」
しかし、Nさんにはこの後すでに、予定がつまっていたのだった・・・(もう四時半過ぎだったというのに)。

 エレヴェイタを降りると、外はもう朝だった。 「太陽が黄色い」という感覚を、久しぶりに味わった。 僕は渋谷から山手線に乗って新宿で乗り換え、自宅に帰った。 電車待ちの時間のほうが、電車に乗ってる時間より長かった・・・。


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いくたびに名前が変わっている。 どうやらガサ入れ以来、三ヶ月ごとくらいに名前を変えているようだ。 めんどうなので、いちばん気に入っているこの名前で呼ぶことにしている。
TEL:3406−8484(これは同じ)














































この表現、ものすごく気に入った。 同時にNさんのことをすごく愛しく思った。 僕はいいことば(自分の気に入ったことば)を使う人間が好きだ。