1、 生地をつくる | 写真 1 から 3 まで |
2、 釜(オーブン)で焼く | 写真 4 から 10 まで |
3、 釜だし、仕上げ | 写真 11 から 15 まで |
では写真でご覧ください、こんな感じで毎日カステラを焼いています。
1 卵を割る ていねいに卵を割る。 以前、高価な地卵を使ってカ ス テラを焼いたが、私には味の違いはわからなかった。 この卵は近郊の生産者から毎日配達してもらっている。 前日の夜に電話すると、翌日の朝、カッコイイお兄さんが配達してくれる。 ここの卵は文句無しのニ重丸、お皿の上に割るとキミが盛り上がっている。 |
2 ミキサーで泡立て 卵、砂糖、アメ、ハチミツをミキサーで泡立てる。 我が家には昭和30年代の中頃にミキサーがやってきた。 それまではホイッパーを手に持って、力いっぱい手でかき混ぜていた(白身だけ)。 私がまだ子供のころ、エミちゃんというお姉さんが仕事の手伝いにきていた。 カステラを焼くときはこの優しいお姉さんが泡立てをしていたが、2回焼くとくたびれ果てて、座り込んでいたらしい。 |
3 生地(きじ)の完成 粉を混ぜて生地の完成 カステラは生地が命。 この状態のよしあしで、カステラの出来がほぼ決まってしまう。 |
4 生地を流す 紙を敷いた木ワクの中に生地を流し込む。 片手で持つミキサーボールが重い。 |
5 泡きり(あわきり) 木ワクの中に流した生地の状態を平均にする為に、流した生地をヘラでかき混ぜる。 回数はいろいろあるが、私は父に教わったとおりに合計3回。 最後のときに表面をキレイにならす、こうすると焼きあがった時、表面がキレイになる。 |
6 色つけ 強火にして表面に焼き色をつける。 うっすらと焼き色をつける、 濃い色にすると、焼きあがった時に、表面の黒いカステラになってしまう。 |
7 天板(てんばん)を置く 木ワクを重ねて天板を置き、焼き色がつかないようにする。 |
8 空気を抜く 焼き上がり15分前になると、 カステラの表面が浮き上がってくる。 これを「プーする」といって、このままにしておくと上の天板にひっついてハゲてしまう。 私の前頭部のように。 |
9 天板を外す 浮き上がった生地が少し下がってくるとこれで焼きあがり。 表面がキズつかないように、慎重に天板と木ワクを外す。 |
10 焼き上がり これで焼き上がり、オーブンよりカステラを引きだす。 焼きすぎると硬くてマズイ、早く出すと生焼けになってペシャンコになってしまう。 焼けたかどうか解からないくらいにギリギリのところでオーブンから出す、このへんがコツかな。 |
11 渋紙(しぶがみ)を置く 表面を傷つけないように渋紙をおく。 柿の渋をぬった特殊な紙でこの紙を置くとカステラの表面がはがれない、絹の布でもよい。 以前は絹を使っていたが、父が職人仲間から教わり、それから渋紙を使うようになった。 |
12 反転(はんてん) カステラを持ち上げてひっくり返し、 上下を逆にする。 底の木ワクを上にして作業台に置き、底の木ワクを外す。 私が父の仕事を手伝い始めたころ、父はすでに腕力がなく、この反転が出来なかった。 カステラを焼くときは、卵割と反転が私の仕事だった。 |
13 反転 二回目 もう一度、反転して元に戻す。 |
14 渋紙(しぶがみ)を外す 表面がはがれないように渋紙をはずす。 ホッとする瞬間だ。 |
15 完成 これで完成。 今日のできはマズマズ。 熱いので少し冷まして、 あとは寸法に合わせて切り分ける。 これ1枚で10本分とれる。 |
いかがですか、卵割から生地の完成までが約30分 オーブンに生地を流して焼き上がりまでが1時間、合計 約1時間30分の作業です。 カステラを教わりながら 父の仕事を手伝い始めて数年後、ちょうど父が不在のときにカステラの注文がきた。 初めて一人でカステラを数釜 焼いた、表面に少しシワのあるちょっとおかしなカステラだったが、 食べてみたら味はまあまあだった。 翌日帰ってきた父にこのことを話すと「自分も初めて焼いたカステラはシワがあった」といった。 この日から父はカステラを焼かなくなり、 次の日から、カステラを焼くのは私一人の仕事となってしまった・・・・・・・・・・・・。 単純なものほど難しい、なかなか満足なものは出来ないが味には自信がある。 私が焼いたカステラ、ぜひ一度食べてみてください。 |